調剤薬局事務は、医療に携わる職業の一つです。そのため、専門知識がなければ務まらない仕事だと思われがちですが、実はそうではありません。
しかしながら専門知識でなくとも、「身につけておいたほうがよい知識」というものもあります。それはどんな知識なのかを、ここでご紹介していきます。
必須スキル・知識はないと断言!
まず大前提として、調剤薬局事務になるために「必要な知識はほとんどない」ということを述べておきます。
それというのも、調剤薬局事務という職業は知識や資格、経験がなくても十分に務まる職業だからです。
調剤薬局事務にとって必要な知識は、働いていくうちに自然と身についていくため、前もって何かを経験していたり、学習していたりする必要がありません。
しかしながら、あらかじめある程度の知識を持っていたほうが仕事の覚えが早くなり、職場に馴染みやすくなることも事実です。また、患者さんに何か質問されたときや、患者さんが疑問に思うことにもきちんと答えることができるようになります。
レセコンが使えれば問題ない
調剤薬局事務の主な業務である、処方せん情報の入力や月に一度のレセプト(調剤報酬明細書)の作成と請求には、レセコン(レセプトコンピューター)と呼ばれる専用のパソコンを用います。
したがってレセコンの使い方さえわかれば、調剤薬局事務としての業務のほとんどは滞りなく進めることができます。
つまりこれは極論ですが、調剤薬局事務にとって一番必要な知識は、レセコンの操作に関する知識であると言えるかもしれません。
しかし、必要な処理や計算を全て行ってくれるレセコンに何もかも頼りすぎると、困ったことになることもあります。
お薬代の計算は複雑
何もかもをレセコン任せにしていると困ったことになることもあると前述しました。その理由の一つが複雑な薬剤料の計算にあります。
みなさんが薬局で支払うお薬代は、厚生労働省によって定められた調剤報酬点数表をもとに計算されます。例えば「調剤基本料41点」というように、薬剤師の技術料が点数で決められており、全国一律で適用されています。
そしてこの調剤報酬は2年に一度改定されるため、同じ薬を同じ日数、同じ量処方されていても常にお薬代が同じであるとは限りません。
また、薬価も厚生労働省によって定められていますが、こちらは例えば「ロキソニン錠60mg 1錠14.50円」というように点数ではなく「円」です。薬剤料はこの調剤報酬点数表の「点数」と薬価の「円」を合わせて求める複雑な計算が必要になります。
もちろん薬剤料の計算はレセコンが行ってくれますが、どういうルールで計算しているのかを知らないといざという時に困ってしまいます。
患者さんの疑問に答えられるか
薬剤料は「点数」と「円」を計算して求めますが、その場合「円」を「点数」に変換するルールがあります。
その際、5を超えるものは切り上げてそれ以外を切り捨てる「五捨五超入」を行います。この五捨五超入を用いた計算によって、しばしば
- 「薬の種類が減ったのに値段が変わらない」
- 「薬の種類が増えたのに値段が変わらない」
ということが起こります。
患者さんはどのような計算方法でお薬代が求められているのかを知らないため、当然疑問に思います。その時に、薬剤料の計算方法を知らなければ、「なぜ薬の種類が増減したのに値段が変わらないのか」をきちんと答えることができません。
さきほどレセコンに頼りすぎると困ったことになると述べたのは、こういうことがあるためです。
患者さんからのお薬代に関する質問は少なくない回数あるため、薬剤料の計算に関する知識を前もって頭に入れておくとよいでしょう。
まとめ
コンピューターは計算結果や処理結果を出すだけで、過程を教えてはくれません。
したがって薬剤料の計算方法に限らず、「どういう理屈でそうなるのか」ということをあらかじめ知識として身につけておくことが時には必要だと言えるでしょう。
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