調剤薬局事務は、医療に携わる仕事でありながら、未経験者や資格を持たない人でも働くことができます。
女性に人気のある職業として、よく医療事務とともに調剤薬局事務の名が挙げられますが、ニーズはどの程度あるのでしょうか?
そもそも調剤薬局事務の業務内容は?
調剤薬局事務の主な仕事は処方箋の受付や患者応対、処方箋や患者情報の入力、会計、月に一度のレセプト(調剤報酬明細書)の作成と請求です。一般的な事務仕事に加え、接客業やサービス業の一面もあるのが特徴的な職業です。
しかしながら、調剤薬局事務の根本的な役割は、「薬剤師」が調剤に集中できるようにサポートすることにあります。事務員がいなければ、薬剤師が処方箋の受付から患者応対、調剤までこなさなければなりません。
したがって、薬剤師が調剤に専念する以上、それをサポートする調剤薬局事務の存在が不可欠であるため、将来的にもニーズがあると言えます。
また、厚生労働省の衛生行政報告例によると、平成28年度末現在の薬局数は58,678か所で年々増加傾向にあることから、雇用ニーズがあることもわかります。
医薬分業により、年々増加の「調剤薬局」
毎年増加傾向にある薬局の数ですが、その背景には医薬分業があります。医薬分業とは患者さんの診察や薬の処方を医師・歯科医師が行い、医師・歯科医師の処方箋に基づいて、経営的に独立した薬剤師が調剤や薬歴管理、服薬指導を行う制度のことです。
例えば複数の病院や診療所で治療を受けている患者さんの場合、病院や診療所ごとに薬が出されます。しかし、飲み合わせによってどんな影響があるのかなどは、処方するだけの医師や歯科医師には把握しきれません。そのため、薬剤師の持つ薬の専門性が必要になります。医薬分業によって、患者さんは安全で適切な服用が可能になり、医師・歯科医師は診療に集中することができます。
国はこの制度を推進しており、院外処方箋発行による価格を高く設定するなどの利益誘導を行うことで調剤薬局の数を増やし、医薬分業を進展させてきました。
「調剤薬局」のこれから
利益誘導によって医薬分業を推進してきた結果、新しく医療機関ができるとその周辺に薬局も開局し、大きな病院前などには薬局が乱立するなど、門前薬局が増えてきました。
毎年増加している薬局数ですが、一部の地域ではすでに薬局の数が飽和しています。
また2015年に、患者の生活に寄り添い、複数の医療機関から処方される薬をまとめて管理する「かかりつけ薬局」を目指すことを厚生労働省が発表しました。これは特定の医療機関からの処方箋ばかりを受け付けている門前薬局の報酬を引き下げ、幅広い医療機関からの処方箋を受け付けている薬局を評価する方針です。
これによって、大手チェーンを中心に調剤を行うドラッグストアが増えてきました。なぜなら、ドラッグストアはもともと生活圏や人が集まる駅前などに展開しているので、幅広い医療機関からの処方箋を受け付けることにちょうど良い立地だからです。
さらに、コンビニに調剤併設店を展開させるところも増えてきており、今後はますます調剤機能を持つドラッグストアなどの「かかりつけ薬局」が増えていくと予想されます。
「調剤薬局”事務”」のこれから
このように薬局の在り方が徐々に変化している昨今ですが、前述の通り、薬剤師が調剤に専念するためには、サポートをする調剤薬局事務の存在が必要です。そのため、今後も調剤薬局事務のニーズが完全になくなることはないでしょう。
ただし、調剤薬局事務はライフスタイルに合わせやすく、働き方に融通がきくことや、出産や育児を終えた後でも働きやすいことから、働く側にとってもニーズがある職業です。地域によっては、1件の求人募集に対して複数の応募が殺到することも珍しくありません。
そのため、調剤薬局事務として働くことを考えているのなら、まめに求人情報をチェックすることはもちろん、未経験者の場合は、資格を取得して就職に有利になるように備えることも一つの手です。
まとめ
患者さんが存在する限り医療機関はなくなりません。そして国が医薬分業を目指す以上、調剤を行う薬剤師と薬剤師をサポートする存在は必要です。
そのため、調剤薬局事務のニーズが完全になくなることはないと言えるでしょう。
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