医薬分業という言葉はご存知でしょうか。考え方としては大昔からあるものですが、日本で定着したのは最近になってからと言われています。
医薬分業の内容や、目的についてご説明いたします。
医薬分業とは
医薬分業とは、「医(薬の処方)」と「薬(調剤)」を分離して、それぞれが専門性を発揮することを目指した考え方のことを指しています。
ヨーロッパでは数百年前から実際に行われており、古代ローマの王様が、医師が陰謀に加担して毒殺を行うことを恐れ、薬の専門家に処方薬をチェックさせたことが始まりと言われています。
現在の日本では、病院で受診をした際にその場で薬をもらうのではなく、処方箋を介して調剤薬局が薬を調剤するということで医薬分業を実現させています。
医薬分業の目的とは
医師は医学に精通しており、自分の得意とする領域の薬剤については十分な知識を有していますが、他の領域の薬剤については理解が十分ではないこともあるといわれています。
単剤での効果については経験も十分にありますが、多剤を併用した場合の効果や副作用については、予測が不可能である場合もあります。
現在の医療では診療科が細かく分かれており、一人の患者様が複数の病院に通うことも珍しくはありません。そうした際の薬の飲み合わせについては、薬剤師が得意としているため、医薬分業を行うことでそれぞれが専門性を発揮して、薬物治療をより良いものにしていくことが目的とされています。
また、医師は薬品の管理をする必要がなくなるので、本業である診察に集中することができ、医療全体の効率もアップすることでしょう。
その他にも、医師の処方を処方箋として第三者の目に触れされることで、過剰投薬を防止する効果もあります。
医薬分業のデメリット
医薬分業を行うことで、患者様の手間は増えてしまうことがデメリットの一つとして挙げられます。
病気を患った際には、病院で新患アンケートを記入して検査、診察、処置を受けてお会計という一連の過程を踏まなくてはなりません。そうして長い時間をかけて、ようやく終わりか、と一息つくのも束の間に、処方箋を交付され、薬局に持ち込んで、またアンケートを記入して呼ばれるのを待つ…。一見すると、非常に手間がかかり、非効率的にも思われがちです。
重症疾患であったり多剤併用をしている患者様であれば理解も得られますが、痛み止めだけ、湿布だけ、という患者様では「なぜこんなに待たせるの?」と思うことも無理はないでしょう。
その他にも、調剤薬局を介することによる医療コストの増大も、デメリットの一つとして言われています。
これからの医薬分業はどうなる?
国民の高齢化を背景に、医薬分業はますます進んでいくと考えられています。
その中でも、薬局や医院のあり方にも変化が求められています。
クリニックでは「かかりつけ医」として患者様の健康を管理して、重症な症状を発見した際には大きな病院に紹介をすることで、医療の窓口となる必要があります。
薬局は「かかりつけ薬局」として1人の患者様に寄り添っていかなくてはならず、通院が困難な患者様に対しては在宅医療を積極的に行っていかなくてはなりません。
そうした際にも、医薬分業を行うことで薬を適正に管理して、患者様の治療をより有効かつ安全なものにしていくことが求められているのです。
まとめ
今回は、医薬分業についてご説明いたしました。
国は団塊の世代が75歳をむかえる、2025年をひとつのターニングポイントと考えています。
2025年には75歳以上の人口は2,200万人と、実に国民の4人に1人が75歳以上となります。
医薬分業が十分に機能することで、治療はより効果を発揮し、医療費も抑制され、国民の利益につながることでしょう。
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