医師や看護師が本来の業務に専念できるように事務的なサポートを行う「医療秘書」。医療の進歩に伴って、年々重要さを増している職業です。
「医療秘書技能検定試験」とは、医療秘書としての専門知識を有することを証明する代表的な資格です。医療事務のカンタンな基礎知識・実務的なマナーや接遇・医療法規や医療用語など総合的に評価する検定試験です。
レベルは1級、準1級、2級、3級の4階級があり、すべてのランクで受講資格は不問です。どなたでもいつでも受講可能なことが特徴です。
毎年の志望者数が約10,000人を超える人気の資格です。医療秘書として医療現場で働きたい方には、第1に目指すべき資格でしょう。
さぁ、詳しく見ていきましょう!
基本データ
正式名称 | 医療秘書技能検定試験 |
受講者数 | 1級:39人 準1級:826人 2級:2,529人 3級:3,881人 |
合格率 | 1級:25.6% 準1級:29.9% 2級:58.3% 3級:74.5% |
受験料 | 1級:6,500円 準1級:5,800円 2級:5,100円 3級:4,000円 |
難易度 | 1級:難しい 準1級:やや難しい 2級:普通 3級:易しい |
取得目標期間 | 会員校にて2年 |
受験形態 | 会場試験 |
受験資格 | 誰でも受験できる |
試験時間 | 2時間 |
実施期間 | 年2回(6月中旬・11月中旬) |
申込期間 | 4月中旬〜5月中旬 9月中旬〜10月中旬 |
主催団体 | 一般社団法人 医療秘書教育全国協議会 |
問合せ先 | 〒134-0084 東京都江戸川区東葛西6-7-5 滋慶ビル2F |
通学教育 | 会員校にて受講可能 |
概要
「医療秘書技能検定試験」は、1988年に設立された「医療秘書教育全国協議会」が主催する検定試験です。30年以上の歴史がある由緒ある資格です。
1級、準1級、2級、3級の4階級あり、それぞれが高難度レベルです。1級合格率はなんと20%前後と非常に難しい検定試験となっています。
一般的には、専門学生として2年以上の勉強過程を通じてから受験する方が多いのが特徴です。
試験内容
出題範囲は3つの領域に分かれており、各60点・計180点満点の試験が行われます。以下の領域から級ごとにより難易度を変えて出題されます。
- 領域Ⅰ :医療秘書実務・医療関連法規に関連した問い。
- 領域Ⅱ:医学基礎知識・医療関連知識に関連した問い。
- 領域Ⅲ:医療事務に関連した問い。
試験時間は領域Ⅰ・領域Ⅱにて55分(1級のみ70分)。領域Ⅲにて60分(1級のみ75分)で行われます。
「領域Ⅰ」は、医療秘書として現場での実務的な知識が問われます。社会人として一般常識を身についていれば特に問題ない領域です。
「領域Ⅱ」は、当検定の最難関領域です。
投薬・注射・処置・検査・画像診断などの医学の基礎知識から解剖・生理学まで。臓器名称・主要疾患の読み書き。診療録の医療英単語を読み解く問題など。。出題範囲が膨大なことが特徴です。
過去問で、出題傾向を十分に抑えておく必要がある領域です。この領域が一番苦戦するでしょう。
「領域Ⅲ」は、一番易しい領域です。領域Ⅲのみ参考資料・ノート・点数表の持ち込み可です。
問題の40%が穴埋め問題。60%の問題がマークシートによる回答形式です。2級以降は入院に関する出題がされます。その点を十分に用意して試験に臨みましょう。
合格率・合格ライン
それぞれの級についての合格率は以下のようになっています。
1級の合格率
実施年月 | 受験者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|
2020年 | 41 | 22.0 |
2019年 | 39 | 25.6 |
2018年 | 20 | 20.0 |
2017年 | 46 | 21.7 |
2016年 | 53 | 17.0 |
2015年 | 54 | 9.3 |
2014年 | 23 | 30.4 |
2013年 | 45 | 20.5 |
2012年 | 39 | 20.5 |
2011年 | 26 | 26.9 |
2010年 | 35 | 11.4 |
2009年 | 19 | 15.8 |
2008年 | 30 | 14.8 |
2007年 | 42 | 9.8 |
準1級の合格率
実施年月 | 受験者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|
2020年 | 751 | 41.7 |
2019年 | 826 | 29.9 |
2018年 | 866 | 40.5 |
2017年 | 824 | 31.1 |
2016年 | 810 | 32.2 |
2015年 | 853 | 30.2 |
2014年 | 1,014 | 26.2 |
2013年 | 893 | 41.7 |
2012年 | 751 | 41.7 |
2011年 | 706 | 32.7 |
2010年 | 669 | 25.1 |
2009年 | 717 | 26.9 |
2008年 | 729 | 26.2 |
2007年 | 874 | 25.3 |
2級の合格率
実施年月 | 受験者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|
2020年 | 2,376 | 63.0 |
2019年 | 2,529 | 58.3 |
2018年 | 2,840 | 63.5 |
2017年 | 3,166 | 53.4 |
2016年 | 3,246 | 51.2 |
2015年 | 3,687 | 58.3 |
2014年 | 3,888 | 50.2 |
2013年 | 3,934 | 56.6 |
2012年 | 4,167 | 56.6 |
2011年 | 3,694 | 51.0 |
2010年 | 3,777 | 55.8 |
2009年 | 3,967 | 49.1 |
2008年 | 5,025 | 50.7 |
2007年 | 5,736 | 51.2 |
3級の合格率
実施年月 | 受験者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|
2020年 | 3,566 | 72.6 |
2019年 | 3,881 | 74.5 |
2018年 | 4,530 | 80.9 |
2017年 | 4,705 | 69.9 |
2016年 | 4,926 | 71.0 |
2015年 | 5,226 | 74.0 |
2014年 | 5,932 | 71.8 |
2013年 | 6,400 | 71.4 |
2012年 | 6,413 | 71.4 |
2011年 | 6,431 | 73.1 |
2010年 | 6,065 | 70.9 |
2009年 | 5,851 | 71.0 |
2008年 | 7,541 | 70.1 |
2007年 | 9,308 | 71.8 |
参考:「2023年版 資格取り方選び方全ガイド [ 高橋書店編集部 ]」
試験の合格ラインは各領域の60%以上が正解の場合、合格することができます。
最上級の1級・準一級は実務経験を十分に積んでいる方を対象としているからね。
合格のメリット
- 総合病院や大学病院など、大きな病院では医療秘書課を設置している傾向あり。就職に有利となる資格!
- 患者受付、病棟クラーク、院長秘書など、病院に働くために需要を増している資格!
- 複雑で高度な医療の発展に伴い、さらなる需要が拡大が望まれている職業!
特徴
- 領域Ⅲのみ資料(点数表・ノート・参考書)の持ち込みOK。
- 一般的に専門学生が数多く受講されている学生に人気の資格試験
- 最近では、社会人・一般受験者も増えているため注目されている資格
- 1988年から実施されて長年続けられている有名な資格
- 年間約10,000人が受講されている人気の資格
- 難易度は各級難関であり、十分に準備が必要。独学ではそれなりの覚悟が必要。
- 合格後は、1.5ヶ月以内に通知あり
- 会員校で受講される場合と一般で受講される場合で、料金は異なる。(会員校の方が安い)
まとめ
「医療秘書技能検定試験」は、高齢化社会に伴い医師と患者を繋がるパイプ役として、病院や医療機関で今後大切にされる資格です。
医療秘書としての実力・実務能力を証明するには十分な資格です。しかし、医療事務や医療の基礎知識など幅広いスキルを有していなければ困難な試験内容です。
あなたが本気で望まれるのであれば、過去問を中心として十分に学習してからチャレンジしてくださいね。(学習時間の目安としては1年〜2年程度を要する。)
短期間で医療秘書の資格を目指したい方には、もう少し取っ付きやすい類似資格を取得することをオススメしています。
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