こんにちは、医療事務ブロガーの元ヤン次女 (@iryojimu_hikaku) です!
「診療情報管理士の難易度は?」
「どれくらい難しいの?」
これから資格を目指す方にとって、どれくらい難しいのかは気になるところですよね。
そんな方に向けて、診療情報管理士の受講者数や合格率などの具体的なデータを見ながら、試験の難しさを紐解いていきます!
診療情報管理士を目指される方や、興味のある方に役立つ内容となっています。
それでは、どうぞ!
もくじ
診療情報管理士とは?
近年の医療現場では電子カルテの普及拡大や、患者への診療情報提供(カルテ開示)の進展に伴い、診療データを管理する能力が必要とされています。
「診療情報管理士」とは、診療記録(カルテ)や膨大な診療情報を、整理・管理・抽出・加工・分析を行う専門職種であり、そのスキルを備え持つことを証明する資格です。
年間に約4,000人が受講しており、医師や看護師、薬剤師も受験している高難度の資格試験です。
医療のIT化が進む今日、「診療情報管理士」という働き方は今後も重要さが拡大していくでしょう。
基本データ
正式名称 | 診療情報管理士認定試験 |
受験者数 | 2,625名 |
合格率 | 66.7% |
受験料 | 10,000円 (別途認定料30,000円) |
難易度 | やや難しい |
取得目標期間 | 原則2年 |
受験形態 | 会場受験のみ |
受験資格 | ・当団体の通信教育修了者 ・指定大学修了者 ・指定専門学校修了者 |
試験時間 | 10:00〜16:10 |
実施期間 | 年1回(2月) |
申込期間 | 前年度7月上旬〜10月下旬まで |
主催団体 | 一般社団法人 日本病院会 |
問合せ先 | 〒102-8414 東京都千代田区一番町13-3 |
通信教育 | 診療情報管理士通信教育 |
診療情報管理士の概要
「診療情報管理士認定試験」は、「日本病院会」が主催する認定試験です。
昭和47年から通信教育課程が続いており、試験名称を変更して2009年度(平成21年度)に第1回試験が行われた次世代の資格です。
診療情報管理士になるには、基礎課程・専門課程各1年、計2年の通信教育を経て受験するのが基本ルートです。
別ルートとしては、当団体の指定校修了生(23大学/54専門学校)に受験資格が与えられます。
毎年2月(予定)に開催される全国統一試験であり、最寄りの試験会場にて受験することができます。
全国17試験会場
北海道・宮城・栃木・東京・神奈川・新潟・長野・愛知・三重・大阪・岡山・広島・高知・福岡・熊本・鹿児島・沖縄
診療情報管理士の試験内容
出題範囲は3つの領域(基礎分野・専門分野・分類法分野)に分かれています。
主な試験科目
(1)基礎分野(全12科目)
- 医療概論
- 人体構造・機能論
- 臨床医学総論
(外傷学・先天異常等含む) - 臨床医学各論I〜VIII
(感染症および寄生虫症、新生物、血液・代謝・内分泌等、精神・脳神経・感覚器系等、循環器・呼吸器系、消化器・泌尿器系、周産期系、皮膚・筋骨格系等) - 医学・医学用語
(2)専門分野(全8科目)
- 医療管理総論
- 医療管理各論I・II
(病院管理、医療保険・介護保健制度) - 医療情報学
- 医療統計学
- 診療情報管理論I・II
(法令・諸規則、診療情報管理士の実務) - 国際疾病分類概論
(3)分類法分野
- 分類法
以下の職業では、「基礎分野」の試験科目免除のほか、通信教育課程に於ける「基礎課程」も免除されます。(履修科目は専門課程のみであり1年で修了できる)
- 医師
- 歯科医師
- 看護師(保健師、助産師)
- 薬剤師
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 視能訓練士
- 言語聴覚士
- 歯科衛生士
- 歯科技工士
- 臨床工学士
- 義肢装具士
- 救急救命士
- あんまマッサージ指圧師
- はり師
- きゅう師
- 柔道整復師
診療情報管理士の合格率・合格発表
過去認定試験の合格率は、以下のようになっています。
合格率
実施年月 | 受験者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|
2022年 | 2,625 | 66.7 |
2021年 | 2,800 | 62.4 |
2020年 | 3,169 | 61.9 |
2019年 | 3,044 | 52.4 |
2018年 | 3,868 | 66.3 |
2017年 | 3,775 | 44.5 |
2016年 | 3,992 | 53.1 |
2015年 | 3,777 | 49.8 |
2014年 | 3,667 | 47.8 |
2013年 | 3,586 | 43.7 |
2012年 | 3,658 | 51.0 |
2011年 | 3,613 | 51.6 |
2010年 | 4,038 | 49.3 |
2009年 | 3,649 | 51.3 |
2008年 | 3,108 | 53.2 |
参考:日本病院会 公式HP
合格発表は、試験後40日程度(3月下旬)に診療情報管理士委員会により郵送にて通知されます。
診療情報管理士の通信教育の特徴
- 昭和47年(1972年)に「診療管理通信教育」が開設、以来50年以上の歴史ある団体が運営している
- 通信教育の定員数は1,000名(先着順)。
- 通信教育カリキュラムでは、自習・スクーリングの出席・テスト合格が必要となる
- 医療の危機管理・安全管理を担う、今後幅広く活躍できる職業
- 職場での仕事内容、仕事の幅が広がり、あなたの人材価値・給料アップが見込める
- 認定資格者は41,174名(2021年5月時点)の市場価値の高い人材へ
- 通信の受講料(価格)は、基礎課程100,000円、専門課程100,000円、計200,000円(税込)
通信カリキュラムとはいえ、スクーリング(通学講義)に出席しなければ、単位を取得することができません。
スクーリング開催地は、「北海道・宮城・東京・愛知・大阪・岡山・福岡」を中心に開催されます。
まとめ:合格することは簡単ではない、しっかり準備して挑もう!
診療情報管理士は、海外諸国ではHealth Information Manager(HIM)と呼ばれ、「医療ミスの削減と安全性の確保」や「コスト削減」を図る職種として活躍しています。
世界の先進国と同様、日本においても医療ITの積極的な活動は、必須のものになりつつあります。
今後、医療機関のITシステム導入、包括評価請求(DPC制度)、がん登録等の推進に関する法律など、医療情報管理に関わる重大な課題も多く、活躍がさらに期待されている職業です。
2年間の長期養成課程は、「時間のやりくり」に苦労するでしょうが、将来に価値のある資格であることは間違いないでしょう。
今回の記事で分かること