「レセプト」という言葉を耳にしたことありませんか?医療事務の仕事を知る上で必ず出てくる言葉です。
- 「レセプトってなに?」
- 「専門用語が分かりにくくて、レセプトが理解できていない…」
というお悩みはないでしょうか?
というわけで、今回は「小学生でもカンタンにわかるレセプト入門」を作成しました。
医療事務の業務は、大きく分けて「受付業務」と「レセプト業務」の2つです。
医療事務を目指すのであれば、レセプトを知ることは絶対に避けられない道なので、この記事では「レセプトの基礎知識~仕組み~流れ」などすべて紹介しますね!
馬鹿な私でも分かるように説明してくれないかしら?
私がとっても分かりやすく、小学生でも理解できるようにレセプトについて易しく説明しちゃうわね。
もくじ
レセプトってどこで使われるの?
〜各種保険証のサンプル〜
(社会保険証の見本)
(国民健康保険証の見本)
(後期高齢者保険証の見本)
注目すべきは後期高齢者保険証に、「一部負担金の割合:1割」という欄があるわね(赤枠部分)。
社会保険証や国民健康保険証には記載されていないけど、3割負担と決まっているわ。
私たちは医療機関を受診した際、保険証を提出し医療行為を受けます。
保険に加入しているため保険証を提出することで、医療費の窓口負担を3割負担もしくは1割負担で済ますことができます。
一部負担金ってなんだ?
じゃあ残りの金額は誰が医療機関に払うのかというとね、あなたが加入している保険者で負担するのよ。
私たちの医療費の支払いはたった3割でいいなんて嬉しいわね!
簡単に説明するのであれば、本来であれば合計1万円である医療費は保険証を提示したことによって保険診療になるので、窓口での患者負担額が3割負担の人であれば3,000円、1割負担の人は1,000円になるのです。
では、残りの7割もしくは9割の医療費は一体誰が負担するのでしょうか?この残りの医療費を負担するのが、受診した人が加入している「国民健康保険団体連合会」もしくは「社会保険診療報酬支払基金」です。
残りの医療費(例では7,000円)を加入しているそれぞれの保険者へ請求するために使用するものが診療報酬明細書である「レセプト」なのです。
病院金銭のフロー
- 病院が10,000円分の診察を提供する
- 患者が一部負担金として3,000円支払う
- 病院がレセプトを作成して請求する
- 支払基金が7,000円を医療機関へ支払う
下図でいう患者の3割負担(3,000円)が「一部負担金」。保険者の7割負担(7,000円)が「診療報酬支払」というのよ。
そこで重要になってくるのが医療機関から支払基金へ提出する「診療報酬請求」これがレセプトというものよ!!
医療事務は、いかに病院のお金を扱う仕事ということが分かるわね。
- 被保険者:あなた(患者)
- 被扶養者:あなたの家族
- 保険者:社会保険証の場合:医療保険を運営している団体。国民健康保険の場合:各地方自治体が運営
- 支払基金:医療機関からの医療費請求が正しいかを「審査」して、保険者からの診療報酬を医療機関へ「支払う」機関。医療機関と保険者をつなぐ架け橋
レセプトの入門知識
語源は?
レセプトの語源は「診療行為の明細」という意味合いから、ドイツ語で処方箋を意味する“rezept(レツェプト)”からきています。レセプトは“診療報酬明細書”とも呼ばれており、その名の通り医療機関で受診した診療行為を点数化し保険者へと請求するための明細書です。
医療行為にはすべて国が定めた「診療報酬点数」という点数が決められています。1点=10円で計算され、この診療報酬点数の合計により医療費が決まります。
患者一人に一枚のレセプト
レセプトには請求する月、受診した患者の氏名、保険種別、保険者番号、受診の実日数、傷病名、診療内容、診療点数等が事細かに記載されています。
一人につき一枚のレセプトが発行されます。一ヵ月の受診日数、診療内容が多ければレセプトへの記載内容が多くなるため、一枚に収まらなくなることからレセプト枚数が増えていきます。
これからのレセプトの在り方
紙レセプトから電子レセプトへ
従来は医療機関が保険者へレセプト請求を行う場合、紙媒体でレセプトを提出していました。1ヵ月の診療内容をすべて紙レセプトへと記載、またはレセコンから印刷して提出していました。
ですが、医療機関の保険事務の効率化、セキュリティ確保のため厚生労働省より平成18年4月にレセプトオンライン請求義務化を目標とした「電子レセプト請求」が導入されました。
レセプトのオンライン化
その後、経過措置期間を経て5年後である平成23年4月から医科、歯科すべてのレセプトのオンライン請求が原則義務化となりました。
この電子レセプト請求の猶予措置として設けられていた期間の終了である平成27年4月診療分以降のレセプト請求がすべてオンライン化となりました。レセコンを使用して紙媒体でレセプトを請求していた医療機関も全てオンライン請求への対応が余儀なくされました。
医療事務の主要な仕事の一つがレセプト業務
レセプトコンピュータは文字通り、「レセプトを作成するコンピュータ」よ。
患者様へ当日の領収証や請求書を発行することにより、レセプトも自動的に作成できるコンピュータよ。
今のコンピュータは頭がいいから、パソコンでレセプトを自動チェックしてくれたり、以外と簡単にレセプトが発行できちゃうわ。
私ExcelとWordくらいしか扱えないわよ。
ExcelやWordを使って文字入力ができればレセコンを扱うことは容易だわ。
毎日使うものだから1ヶ月もレセコンを触っていれば自然と覚えるから大丈夫よ!そこは心配しないで。
レセプトには患者一人ひとりの一ヵ月分にかかった医療行為が事細かに記載されています。これらの医療行為の点数を合算してレセプトを作成するのですが、診療報酬請求には多くの規定があり辞典や電話帳並みの太さの「診療点数早見表」という参考書の規定内容に沿って作成しなければなりません。
提出したレセプト内容に不備があった場合、審査機関から「返戻」「減点」とされてしまいます。返戻となったレセプトは修正し再提出が可能ですが、診療報酬の支払いが大幅に遅れてしまいます。
返戻や減点を未然に防ぐ対策として、レセプト内容の不備をチェックするためのレセプト点検ソフトなどもありますが、最終的には医療事務による目視による点検が行われます。レセプトを点検し不備に気づくことができるだけの、正しい算定ルールや医療の知識が必要とされるのです。
まとめ
医療機関は患者と保険者の双方にお金を請求しなければならなくて、患者への請求=一部負担金、保険者への請求書=レセプトということね!以外とシンプルなのよ。
保険者への請求書がとっても分かりやすくて為になったわ。ありがとうね!
レセプト業務は病院にとって非常に重要なものであり、そのレセプト請求を管理しているのが医療事務なのです。
レセプトを取り扱うには医療知識や膨大な量の事細かな算定ルールなどを理解する必要があるため、レセプト点検が行えるようになれば、医療事務として一人前であると言っても過言ではないでしょう。
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