調剤薬局事務という国家資格は存在していませんが、民間資格としてはいくつかの団体が試験を行い、合格者には資格証を発行しています。
調剤薬局事務として働くに当たって、これらの資格を有していることは必須ではなく、実際に資格を持たずに働いている方は少なくはありません。
では、資格を持つことにどのようなメリットがあるのでしょうか。
未経験である場合、知識の習得が可能となる
調剤薬局事務という仕事は医療に携わる仕事です。日本の医療制度は公費に支えられたものであり、仕組みとしては非常に特徴的であると言われています。医療に少しでも関わったことがある人であればイメージはしやすいですが、全く未経験であれば独学で勉強するのは極めて大変でしょう。
大手の調剤薬局グループに新卒として入社をすれば、ある程度の研修を受けることは出来るかもしれません。しかし、調剤薬局は個人の薬局のような小規模の薬局や中小のチェーンが多く、そういった薬局ではOJTの研修が中心となります。
資格を取得することで労務に必要な最低限の知識を習得することが出来るので、未経験であればまず資格の取得を目指すと良いでしょう。取得時の最新の医療制度の情報や一般的なレセコンの使用方法、レセプト請求の方法や注意点について勉強できるため、未経験で就職をするよりはスムースに業務に入れるでしょう。
患者様や医療スタッフからの信頼度がアップする
専門の資格を持っているということは、一般の方から見てもイメージが良いものです。保険や公費などの医療制度のことを質問する際にも、資格を持っているということが分かれば信頼度のアップにつながるでしょう。
また、資格を取得する際に医療制度全体についても体系的に学んでいるため、勤務先で取り扱うことの少ない公費についても最低限の情報提供をすることが出来るでしょう。
医療保険については薬剤師が苦手な分野の一つでもあるので、資格の取得を機会にしっかり勉強することで、患者様や薬局にも貢献することが出来るでしょう。
採用応募時に、合格する確率が上がる
医療事務は人気のある職業のひとつであり、１つの採用募集に対して複数の応募があるのが一般的です。調剤薬局は全国に約60,000軒と働き口は決して少なくはありませんが、募集がかかるのは基本的には新規開業時のオープニングスタッフや増員時・欠員時の募集となるため、倍率としては5倍～10倍程度となるでしょう。
そうした場合に、前職で調剤薬局事務の経験がある方や資格を取得している方は、優先的に採用してもらえることとなるでしょう。薬局によっては資格を取得していない人は、基本的には採用しないとしているところもあるようです。
転職時や復職時にアピールポイントとなる
前述の通り、調剤薬局事務は競争率が高い職業となります。基本的に前職で調剤薬局事務を経験していれば業務で困ることはありませんが、薬局によっては資格が重視される薬局も少なくはありません。
勤務経験があったとしても、退職後にブランク期間が出来てしまった場合では、調剤薬局事務の資格を持っていることはよりプラスに働くでしょう。
資格を取得していれば、履歴書の資格を記入する欄にも記入することが出来ます。調剤薬局事務を本気で目指しているというアピールとしても有効と言えるでしょう。
まとめ
今回は調剤薬局事務が資格を持つことについて、どういったメリットがあるかをご説明いたしました。
調剤薬局事務の資格は会費などが徴収されることは無く、取得時に少しの時間とお金がかかってしまうこと以外には、デメリットは全くないと言えるでしょう。
資格を持つこということはゴールではなく、あくまでもスタートです。せっかく取得した資格が無駄になることの無いよう、継続的に勉強していくと良いでしょう。
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