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「薬だけ下さい。」はなぜダメなの?無診療処方の現実と危険性

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病院などの受付で「いつもの薬がなくなったので、すぐに出して欲しい」「診察はいいから、いつも飲んでいる薬だけください」と頼む人の数は決して少なくありません。

確かに薬だけもらってさっさと帰りたいという気持ちはわかりますが、実はこれは医師法違反にあたるのです。

 

「薬だけください」はなぜダメなのか?

「薬だけください」がなぜダメかというと、「医師は自ら診察しないで治療をし、もしくは診断書もしくは処方せんを交付してはならない。(保険診療としても当然認められない。)」という無診察治療等の禁止が医師法に定められているからです。

つまり診察なしで薬をもらうのはれっきとした医師法違反であり、「診察はいらないから、薬だけください」というのは医師に対して「犯罪行為をしろ」と言っているようなものです。

「病状は変わらないし、時間もないからどうか薬だけもらえないか」と受付でごねる人をみたことがありますが、そもそも診察を受けずに薬をもらう権利が患者にはないのです。

しかしながら「法律でそう定められているのはわかったけれど、毎回同じ診察をして同じ薬をもらうだけなのになぜ診察する必要があるの?」という疑問が湧くのはもっともです。

 

薬だけもらって帰る危険性

1.副作用の危険性

なぜ毎回診察する必要があるかというと、まず飲んでいる薬の副作用に気付かずに見過ごしてしまう危険性があることが挙げられます。

副作用がすでに出ているにもかかわらず、それに気付かずに同じ薬を長い期間処方してもらったとしたらどうでしょうか?気が付いたときにはもうすでに手遅れで取り返しのつかないことになっている可能性もゼロではありません。

「さすがに副作用が出れば気が付くから平気でしょ!」と思う人もいるかもしれませんが、実際は結構気が付かないものなのです。

例えば頭が痛くて毎日のように痛み止めを服用しているのに、ちっとも症状がよくならないと思っていたら、実は「薬物乱用頭痛」という頭痛薬の飲みすぎのせいだったということもあります。これは医師から処方された薬はもちろん、市販の鎮痛薬の飲み過ぎでも起こることです。

しかしながら普通は頭痛薬が頭痛を起こすなんて考えませんから、副作用に気が付きにくいというわけです。

 

2.量や種類の変更タイミングを逃す危険性

診察をしないで薬だけをもらって帰る危険性は他にもあります。それは「たとえ自分自身に自覚症状がなくても、薬の量や種類を変える必要がある」場合です。

例えば薬の中には、血中濃度が一定の範囲を超えると重い副作用が出てしまうものがあります。そのため薬を処方する際は、毎回採血をして血中濃度をチェックし、用量を調節しなければなりません。

一方で症状がなくなってくれば薬の量を減らしたり、もっと優しい効き目の薬に変更したりする必要もあります。

このように、薬の量や種類を変更するタイミングを逃してしまう危険性があるため、毎回診察することは意味のあることなのです。

 

無診察処方の現実

しかしながら残念なことに、現実には無診察処方が横行しています。

例えば近年では、「シー・アール・メディカル」の社員(薬剤師で元取締役)が、病院で医師の診察を受けずに処方箋を作成し、医療用医薬品を販売していたということがありました。

また、札幌市中央区の会社員が三重県鈴鹿市の医師に処方箋の交付を依頼し、依頼を受けた医師が診察をせずに18回にわたって7人分の処方箋を作成して会社員に交付したという事件もありました。

他にも過去に、勃起不全(ED)や男性型脱毛症(AGA)の治療薬などの薬を、「オンライン診療」と称して患者に一度も会わずに処方する医療機関が複数存在することが確認され、こうした不適切な「オンライン診療」が頻発していることがわかってきました。

 

まとめ

診察をしないで薬を処方することは医師法違反にあたるため、薬だけをもらって帰ることはできません。

しかしながら現実に存在する無診察処方の数は決して少なくありません。

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