日頃から「クラウド」として、その名を耳にしたり目にしたりすることが多い「クラウドコンピューティング」は、今日さまざまな場面におけるサービスとしてとても身近に使われるようになりました。
ここではそんなクラウドコンピューティングの基礎的な知識や、病院などの医療機関においてはどうなのかについてお話します。
クラウドコンピューティングとは?

クラウドコンピューティングとは、簡単に言えばパソコンにダウンロードやインストールすることで、ネットワークを通じてデータやソフトを利用することを言います。
これまではハードウェアの購入やソフトウェアのインストール、ソフトウェアのライセンス購入をしなければサービスを利用できないことが一般的でした。
しかしながらこのクラウドコンピューティングの誕生により、ハードウェアを購入したりやソフトウェアをインストールしなくても利用できるサービスがたくさん生まれました。
例えば代表的なクラウドサービスとしてメールサービスが挙げられます。今まではOutlookなどのメールソフトをパソコンにインストールしてメールを送っていました。しかし今ではパソコンにソフトウェアをインストールしなくても、アカウントさえ持っていれば利用できるGmailなどがあります。
クラウドコンピューティングのメリット

クラウドコンピューティングのメリットはいくつかありますが、まずサービス導入のためのコストがほとんどかからないことが挙げられます。
以前まではソフトウェアを導入する際には、パッケージを購入するという初期投資が必要でしたが、クラウドサービスならば初期費用はほとんど必要なく、利用料に応じた料金を支払えばいいだけです。
次にスムーズに利用できるところもメリットの1つです。これまではアップデートのたびに新しいソフトウェアの購入が必要でしたが、クラウドサービスは状況に合わせてアップデートされるため常に最新の状態で利用できます。
またユーザー登録をするだけで簡単に利用開始できるところも利点です。
最後にデータの保存がクラウドサーバー上で行えるため、インターネットに接続されている端末であれば、基本的にデバイスを問わずに利用できるところが挙げられます。
医療機関でのクラウドコンピューティング
スマートフォンやタブレットの台頭により、クラウドサービス自体は一般社会に普及しました。またクラウドサービスは、時間や場所を選ばずに大量のシステムやデータにアクセスできるところが特徴であり、その有用性と効率性が評価され、多くの企業がクラウドコンピューティングを導入してきました。
ところが医療業界では、専門性の高いサービスが求められることや、取り扱うデータの内容が非常にセンシティブであることからそれほど普及が進んでいませんでした。
しかしながら今ではそうしたコストやセキュリティ面の不安が少しずつ解消され、医療クラウドサービスを導入する医療機関が増えています。
これにより、電子カルテや診療記録をはじめとする情報やレントゲン・CTなどの画像診断検査、血液や血糖などの検体検査を通じてのデータなどをクラウド環境で保管して利用できるようになり、今では医療サービスの効率化に欠かせないものとなっています。
医療機関でクラウドサービスが普及した背景

さて、医療機関でクラウドサービスが普及したのにはいくつか理由があります。その1つが業務の効率化です。
医師不足や医師の残業増加が問題となっている昨今では、医療現場において従来よりも業務の効率化が求められるようになりました。そのため、患者さんの情報を手軽に素早く確認できるクラウドサービスの需要は高いのです。
次に電子カルテが普及してきたことも、医療クラウドサービスの利用が促進された要因です。これまでは電子カルテの導入に多くのコストがかかりましたが、クラウド化された電子カルテであれば導入費用を抑えることができるようになりました。
まとめ
クラウドコンピューティングとは、ハードウェアの購入やソフトウェアのインストールがなくても利用できるサービスのこと言います。
そして現在では病院などの医療機関において、業務の効率化のためには欠かせないものとなっています。
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