調剤薬局事務と登録販売者はどちらも人気のある医療系の職業で、どちらも医薬品に係る仕事です。
薬局やドラッグストアなどの求人募集でよく見かけますが、この二つの職業の違いは一体何でしょうか。分かりやすくご説明しますね。
調剤薬局事務とは？
調剤薬局事務とは、簡単に言うと「薬局の受付の人」です。
来局した患者さんに応対し、処方箋を受け取り、パソコンに必要な情報を入力します。場合によってはお薬手帳を発行し、会計をするのが主な仕事です。
また月に一度、調剤報酬明細書（レセプト）の作成と請求を行います。
さらに、電話応対や消耗品の調達と管理、伝票や書類の整理など、一般的な事務作業も行います。薬剤師のサポートとしての側面もあり、業務内容は多岐に渡ります。
民間の資格は数十種類ほど存在しますが、無資格・未経験でも就職することができる職業です。
- 調剤薬局事務の仕事内容
登録販売者とは？
登録販売者とは、名前からは想像しにくいですが、簡単に言うと「薬剤師以外で医薬品を販売できる人」です。
もう少し詳しく言うと「薬局やドラッグストアなどで、かぜ薬や胃薬、鎮痛剤などの一般用医薬品の販売ができる専門職」です。
これまで、一般用医薬品の販売は薬剤師と許可や資格を得た販売業者でなければ認められていませんでした。しかし、薬局やドラッグストアなどの増加に伴って薬剤師不足が問題となり、2009年の薬事法改正により、医薬品の販売を行える国家資格として登録販売者が誕生しました。
平成28年度までの受験者数は400,013名、そのうち合格数が199,941名で、比較的新しい資格です。そのため、今後ますます需要が高まる資格だと言えるでしょう。
主な仕事内容は、一般用医薬品のうち、第二類医薬品と第三類医薬品の販売です。その際、医薬品についての情報提供や、お客さんからの相談にも対応します。
つまり、お客さんが安全に医薬品を購入できるように手助けする職業です。
資格や就職先の違い
前述をふまえて、調剤薬局事務と登録販売者の違いを説明していきましょう。
●資格について
まず、資格の有無についてですが、登録販売者は国家資格が必要です。対して調剤薬局事務は、無資格でも働くことができます。
それにもかかわらず、何故いくつも民間の資格が存在するのかというと、調剤薬局事務の採用は一般的に経験者が優遇されます。そのため未経験者は少しでも採用率を上げるため、働く上で十分な知識を有する証明として、資格を取得する人が多いからです。
●就職先について
次に就職先についてですが、調剤薬局事務はほとんどが調剤薬局で働きます。その他には処方箋を受け付けているドラッグストアで採用されることもありますが、あまり選択肢はありません。
それに比べて登録販売者は、薬局やドラッグストアはもちろんのこと、スーパーやコンビニ、家電量販店など医薬品を扱っている場所ならばどこでも働くことができます。
業務内容の違い
●調剤薬局事務の場合
仕事のメインは処方箋情報の入力であるため、基本的にパソコンの前にいます。患者さんが来局すれば応対しますが、それ以外は書類や備品の確認、整理、管理などの事務作業をしていることが多いです。
例えばマスクや体温計などの医薬品以外の商品を扱う薬局では、販売も担当することがありますが、調剤薬局に来局する人のほとんどは処方箋の薬を求めに来るため、頻度は高くありません。患者応対や事務を中心とした、時々販売も行う仕事です。
●登録販売者の場合
一方で、登録販売者は「接客・販売」が主な業務となります。医薬品やサプリメントなどの説明やアドバイスなどをお客さんに行います。
また、医薬品の発注や品出しも適宜行います。取り扱うものによって重いものを品出しすることもあり、体力が必要とされる場合があります。
さらに、勤務先によってポップ作りやレジなどを任されることもあり、業務内容はさまざまです。基本的には「接客」と「販売」が中心な仕事です。
まとめ
業務内容や就職に資格が必要かどうか、またどんな場所で働くのかなどそれぞれ異なりますが、どちらも医薬品に係る大切な職業です。
超高齢化社会になることが、現時点でわかっている以上、これから需要が高まることが確実です。今のうちからコツコツと勉強して、資格取得を狙っちゃいましょう！
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