現在では1人の患者様が複数のお薬を飲む場合も多く、60歳以上の外来患者様400名を対象に見たところ、平均で4.7剤が処方されていたというデータもあります。
こんなにも多くの薬が処方されていると、ついつい飲み忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。では、お薬を服用する際に、もしも飲み忘れてしまったらどのようにすれば良いでしょうか。
すぐに飲んでよいのでしょうか、はたまた飲み忘れた分を飛ばして次回から服用をすべきなのでしょうか。現役薬剤師が丁寧に解説しますね。
すぐに気づいた場合には飲んでよい
お薬における一般論としては、すぐに気づいた場合には飲んでよい、とされています。
1日3回飲むお薬は「4時間」、1日2回飲むお薬は「6時間」、1日1回飲むお薬は「8時間以上」間隔を空けることが望ましいといわれているので、次回の服用時期と極端に近くなければ、飲んでも差し支えはありません。
1回に2回分を服用することは、副作用が発生する確率を大きく上げてしまうので、避けるようにしてください。
飲み忘れに気づいた場合には、なるべく早めに服用するようにしましょう。
ただし、一部のお薬についてはスキップして飲むと良くないものもあるので、医師や薬剤師などの専門家に確認しなくてはなりません。
食直前や食前のお薬はスキップする場合もある
多くのお薬は、忘れたことにすぐに気づいた場合には飲んでも良い、とされています。しかしながら、食直前や食前など、特別な指示があるお薬については注意が必要となります。
食前に飲むお薬を飲み忘れてしまい、ご飯を食べた後に忘れたことに気づいたら、食後に服用してよいのでしょうか?
お薬の多くは、特に理由がなければ、服用のタイミングは食後に設定されることがほとんどです。
食直前や食前に設定されているお薬では、食べ物との何らかの相互作用が考えられるので、安易に食後に飲んではならない場合もあるのです。
このように、特別な指示があるお薬については、薬剤交付時に薬剤師さんに聞いてみると良いですね。
週1回製剤や月1回製剤などでは、注意が必要な場合もある
現在では骨粗しょう症の治療薬や一部の糖尿病の治療薬において、週1回飲めば良いお薬や月1回飲めば良いお薬が用いられています。
これらのお薬においては、飲み忘れに気がついたときにすぐ飲むものと、翌日の同じタイミングで飲むものの2パターンが存在しています。
お薬ごとに対応が異なるので、注意が必要となります。
一般的には、このような長期製剤についてはパッケージや説明の紙に、飲み忘れた場合の対応が明記されている場合がほとんどです。
一度パッケージや説明の紙を、確認してみると良いでしょう。
飲み忘れないように出来る工夫とは
お薬を飲み忘れる原因の一つとしては、お薬の数が多いことが考えられます。
現在では配合剤(2つ以上の成分を1つの薬剤にまとめたもの)や徐放化製剤(お薬をゆるやかに放出することで、本来であれば複数回飲むお薬を1回にまとめたもの)といったお薬も選択できるので、これらのお薬を用いることで服用する薬剤や服用の回数を減らすことが出来るかもしれません。
また、少しコストがかかってしまいますが、お薬を1回ごとの袋にまとめる一包化なども、検討する価値はあるといえます。
ぜひ一度、医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
飲み忘れていることを医師や薬剤師に相談することは、なかなか難しいかもしれません。
場合によっては怒られてしまうこともあるかもしれませんが、お薬の服薬状況をしっかりと伝えることで、治療をより良いものにしていくことが出来るのです。
また、お薬を飲めていない原因が明確であれば、対策を講じることも難しくはありません。
医師に直接相談することが難しいようであれば、薬剤師さんを介して相談してみてはいかがでしょうか。独断での判断が一番危険な選択肢です。恥ずかしがらずに分からない時は素直に聞いてみましょう!
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