お薬手帳というものはご存知でしょうか?
病院や調剤薬局に行くことが少ない方は目にすることはあまりないかもしれませんが、現在多くの薬局では、お薬手帳の普及を目指して活動をしています。
お薬手帳とはどういったものであるのか、ご説明させて頂きます。
お薬手帳は何のためにある?
お薬手帳の目的としては、ポリファーマシー(多剤併用)時における重複投薬の防止や、服用歴の管理などが第一に挙げられます。
現在では1人の患者様が複数の病院を受診することも多く、その際に同じ効果のあるお薬を重複して投与されてしまうことがあります。
また、お薬の種類は違っても、併用することで効果に影響を及ぼす組み合わせもあるので、それらをチェックしなくてはなりません。
同じ薬局や病院に管理を一任していれば良いのですが、日本では従来からある「門前薬局」というシステムが基本となっており、複数の薬局を利用することが多々あります。
そうした際に、これらの橋渡しをしてくれるものが、お薬手帳なのです。
また、災害時などに医療機関が麻痺してしまった際には、お薬手帳を活用することで普段から飲んでいるお薬を臨時処方するといった、有事の際のライフラインとしての側面も持っています。
災害が起こった際には、お薬手帳も併せて持ち出すことで、スムースに臨時調剤を受けることが出来るのです。
お薬手帳を持参するメリット
お薬手帳を持参することで、前述の通り医師や薬剤師に併用薬を確認してもらうことが出来ます。
これにより、無駄な処方や禁忌となる処方がなくなるので、患者様の安全に寄与することはもちろん、医療経済的にもメリットがあります。
また、お薬にアレルギーがあった際にも、お薬手帳にアレルギー歴をまとめて記載しておけば、医師や薬剤師に伝える手間が省けます。
お薬全般のデータを集約しておくことで、より円滑に、安全な医療を受けることが出来るのです。
お薬手帳を持参することでお会計が変わる?
お薬手帳の持参の有無によって、「薬剤服用歴管理指導料」という技術料の点数が変化します。
平成28年4月に改訂された調剤報酬においては、お薬手帳を持参すると38点(6か月以内に来局のあった場合に限る)、持参しないと50点と、点数が分かれています。
1点は10円で計算されるため、3割負担の方ではお薬手帳を持参すると40円程度お会計が安くなります。
併用薬をチェックしてもらい、さらにお会計も安くなるので、是非ともお薬手帳を活用してみてはいかがでしょうか。
注目を集める電子お薬手帳とは?
お薬手帳のメリットはこれまでご説明させて頂いたとおりですが、一方でデメリットは存在するのでしょうか?
現行法では、お薬手帳を持参することによるデメリットは存在していません。
強いて言うのであれば受診の際に荷物が増えることくらいですが、現在は電子お薬手帳が開発されており、この問題が解消されつつあります。
電子お薬手帳とは、スマートフォンやタブレットなどにお薬手帳の機能を持たせたもので、これまでの紙媒体であるお薬手帳をこれらの電子媒体に取り込むことが可能となります。
併用薬の確認も電子媒体上で行うことが出来るので、資源にも優しいというメリットもあります。
しかしながら、電子お薬手帳はまだまだ普及途中の段階であり、共通のシステムを使っているというわけではありません。
薬局側も機器の導入にもコストがかかるため積極的ではなく、使える薬局と使えない薬局が分かれてしまいます。
また、病院で医師に飲んでいるお薬を伝えようとしても、医師がUIや操作方法を理解していなければ、見てもらえない可能性もあります。
その他にも、患者様側もポリファーマシーが問題となる方はご高齢の方が多いため、スマートフォンやタブレットを持っていないという方も多いと考えられます。
まとめ
今回は、お薬手帳についてご説明させて頂きました。
平成28年3月まではお薬手帳を持参するとお会計は高くなっていましたが、平成28年4月以降は安くなるように調剤報酬が改定されています。
患者様側にはデメリットはほとんどないといえるので、積極的に活用することを強くおススメします。
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