厚生労働省が発表している資料によると、平成28年度末現在の薬局数は58,678 か所で、前年度に比べ352 か所(0.6%)増加しています。(厚生労働省HP「平成28年度衛生行政報告例の概況」より抜粋)
調剤薬局が今なお増加しているのは、どうしてなのでしょうか。詳しく説明していきます。
もくじ
今後は高齢者が増えるので、医療需要が増加している
日本の近い将来の予測として、2025年には団塊の世代が75歳を迎えることにより、国民の3人に1人は高齢者になるということが確実視されています。
高齢者になれば持病が増えることが多く、病院を受診する機会も増加します。それにより、処方せんの枚数も増えることで、調剤薬局の需要は増加すると考えられます。
2025年を過ぎて人口が一気に減少するまでは、調剤薬局は未だ発展産業と捉えられているのです。
セルフメディケーションの推進でドラッグストアが増加している
現在は増大する医療費の抑制の一環で、セルフメディケーションが推進されています。
健康ブームも到来しており、有名タレントを起用することで有名な某ジムに代表される、トレーニング施設も増加してきています。日本国民の健康に対する意識は、これまでとは大きく変わろうとしてきているのです。
そうした中で、健康食品を摂取する機会も大きく増えており、これらの健康食品を取り扱うドラックストアも急増しています。
ドラッグストアでは調剤薬局を併設することも多く、これにより保険薬局としての調剤薬局も増加しているのです。
大手調剤薬局や大手ドラッグストアの出店競争が起こっている
調剤薬局という業種はその他の業種とは異なり、大手のシェアが非常に小さい業種であると言われています。
よって、これからM&Aにより、ますます業界の再編が進むと考えられています。その中でも、大手はM&Aと並行して、積極的に新規出店を行っています。
スケールメリットを考えれば、ある程度の店舗数や売り上げがあった方が、医薬品の購入時や店舗の運営時には良いとされています。
そうした背景から、多くの薬局は良い案件を積極的に探しながら、さらなる出店を目論んでいるのです。
在宅業務をこなせば、個人調剤でもまだまだ儲かることも
現在では、国策として病床数(入院することの出来るベッドの数)は増やさないことが明言されています。
その代わりに、増え続ける高齢者の受け皿となるのが、在宅医療であるのです。
これは比較的安定した患者様は入院をするのではなく、自宅で療養をして、医師や看護師が訪問することで処置を行うというシステムのことを指します。その中でも、薬剤師は医師や看護師などのその他の専門職やケアマネージャーなどと連携して、患者様の服薬を管理することが求められています。
大手も在宅医療については積極的に取り組んでいますが、現在のシステムでは地域の医薬連携に介入できていない部分も多く、ずっと地域で活動している個人薬局が参入する余地も十分にあると言われています。
一昔前のように調剤薬局を建てれば儲かる、という時代は過ぎてしまいましたが、在宅業務を粛々とこなすことができれば、まだまだ個人薬局にもチャンスはあるのです。
そうした背景から、在宅をメインに行う薬局なども誕生してきているのです。
まとめ
今回は、調剤薬局が増え続ける理由についてご説明させて頂きました。
調剤薬局は増えている一方で、国の目指す調剤薬局の数は、もっと少ない数であるといわれています。今後は調剤報酬という、薬局の収入源である点数の改定が、さらに進んでいくことが予想されています。
国の目指しているかかりつけ業務や在宅業務、後発品の使用目標を達成できない薬局は、どんどん淘汰されていくことでしょう。調剤薬局の増減については、今後も注目が集まっているのです。
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