日常生活では、様々な「期限」を目にすることでしょう。
牛乳や卵などの生ものにおける消費期限は、きちんと守る方も多いのではないでしょうか。
一方で、缶詰や乾物などの比較的長期間の期限を有するものについては、「少しくらい過ぎても大丈夫」と考える方も少なくはありません。
では、医薬品の期限はどのように考えれば良いのでしょうか?今回は、期限切れの薬を飲んでも大丈夫かどうか、管理薬剤師の私が詳しくご説明させて頂きます。
最後までよろしくお願いしますね。
もくじ
医薬品の期限は、厳守しなくてはならない
医薬品は疾患の治療において、最も重要なものです。
期限切れのお薬を使用してしまい、医師が期待した効果が発揮されなければ、最悪の場合では命に関わることもあるのです。
医薬品の期限は、「薬品の有効性を保障しうる期限」として定義されています。
医薬品が製造された後、長い時間を経ることで有効成分は経年変化を起こし、少しずつ減少していきます。
一般的に定められた期限内であれば、目安として95%以上の有効成分が残っているといわれています。
ちなみに、昔の医薬品は、期限が記載されていないことも珍しくはありませんでした。
その場合には3年を目安に使用するということが一般的でしたが、現在の医薬品はほぼ全てにおいて使用期限が定められているのです。
保管状態が悪いと、定められた期限よりも早くにダメになってしまうことも
医薬品の保存状態が悪いと、定められた期限を前にして十分な効果を発揮できないケースがあるのです。
お薬の多くは、「過酷試験」という検査を行っており、高温多湿下など過酷な状態での薬物安定性をチェックしています。
しかしながら、予期しないレベルの高温や直射日光などにさらされた場合には、期限よりも前に有効成分が分解されてしまっているということがあるのです。
高温になりやすい車の中、ストーブの近く、こたつの中はもちろんのこと、直射日光の当たりやすい窓際などには、お薬は置かないようにしてください。
また、冷所保管など特に指定のある場合には、保管方法を遵守するようにしてください。
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多くの医薬品の期限は約2~3年
では、医薬品の期限はどのくらいとされているのでしょうか。
一般的な錠剤では、多くの場合2年~3年と定められています。
漢方薬や分解に強い医薬品であれば、5年近くの期限が定められている医薬品も珍しくはありません。
一方で、不安定な薬剤では1~2年と、短い期間でしか使用できないものもあるのです。
混ぜた水薬や、開封した目薬などは1ヶ月を目安に使い切る
ここまでご説明させて頂いた「期限」は、ほとんどの場合「未開封」の状態で定められています。
小児の風邪で用いるシロップなどは、開封したうえで混合を行っています。
これらの場合では、菌の繁殖するリスクや分解を受けるリスクが高まるので、1ヶ月以内に使い切ることが望ましいのです。
また、目薬などにおいても、開封後は細菌が繁殖するリスクがあるため、1ヶ月以内に使い切ることが望ましいのです。
その他にも、患者様の体重や症状に合わせて調合した粉薬なども、湿気の影響で有効成分が分解されてしまう恐れがあるので、なるべく早めに使い切ることが重要となるのです。
古くなってしまったお薬が出てきた場合には使用せず、破棄するようにしてください。
まとめ
今回は、お薬の期限についてご説明させて頂きました。
錠剤などではロットのみが記載されており、有効期限がわからない場合もあるので、以前にもらった医薬品は使わない方が良いと考えられます。
また、医療用医薬品はそれぞれの体調や病状、体格や各種の代謝酵素に基づいて選択されています。
基本的には毎回診察を受けて、その時々に合ったお薬を飲まなくてはならないので、古いお薬を飲むことはしないようにしてください。
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