こんにちは、医療事務ブロガーの元ヤン次女 (@iryojimu_hikaku) です!
「クラークってどんな仕事をするの?」
「クラークになる方法って?」
医療機関で働く病棟クラークについて、公開されている情報が少なく、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか?
病棟クラークとは、入院患者の「診療内容入力」や「入退院手続き」などの事務作業を行うスタッフです。
医師や看護師を事務処理をサポートし、病棟の業務が円滑に行えるように働く、まさに「縁の下の力持ち」的な存在です。一般的には、入院施設のある病院で各病棟に1人ずつ配置されています。
この記事では、医療事務の種類の1つであるクラークの仕事内容や適性、働き方などについて解説します。
記事前半では、クラークの基礎知識について解説します。記事後半では、実際になるために準備すべきことを紹介します。
未経験から医療に携わることができるクラークを目指したい人は、ぜひ参考にしてください。
それでは、どうぞ!
簡単にいうと、「ナースステーションで働く事務作業員」のことを指すのよ。
医療事務って言っても活躍の場が、多種多様にあるわね。
病棟クラークの仕事内容
病棟クラークの勤務場所は、主に「病棟(入院施設)」になります。
病棟にあるナースステーションに常駐し、病棟の事務作業と助手作業の両方を行います。
仕事①:事務業務
病棟クラークの事務業務として、以下の業務が挙げられます。
- 職員の勤務関連の書類作成
- 残業報告書等をまとめ総務へと提出する職員の事務処理
- 入院院患者の入院台帳の作成
- 入院カルテの準備
- 入院時の病室の手配
- 入院カルテの管理
- 退院時に医事課へ連絡し退院精算の準備
- 医師の回診準備
- ナースコールや電話応対
- 紹介状など封筒の宛名書き
- 入院患者の診断書等の書類管理……
ここにあげた業務は事務作業のごく一部で、実際には病棟内の細かな事務作業を幅広く取り扱っています。
また、入院患者様の医療費の点数計算を行うのは、クラークではなく医療事務課の担当になります。病棟クラークは、診療報酬に関わる医療事務ではなく病棟内の事務作業を行うスタッフと考えるとよいでしょう。
レセプトを扱う「医療事務」に対して、医師や看護師の事務作業のサポートをメインとする「病棟クラーク」。
医療事務は、理数系向きに対して、病棟クラークは文系向きの違いがあります。
仕事②:助手業務
次に、病棟クラークの助手業務をご紹介します。助手業務の内容は病院の規模や病棟によって違いがありますが、以下の業務が挙げられます。
- 車椅子やベッドの患者様を検査室やリハビリ室へと送迎
- 病室のシーツ交換
- リネン庫の在庫管理
- 食事の配膳、下膳
- 下膳時に食事摂取量のチェック
- 病棟内の医療品や日用品、事務用品の在庫管理
- 至急の処方箋出し
- 至急の検体を検査室へ提出
このように看護師をサポートしながらともに仕事を行いますが、医療行為は禁止されているので業務的には看護助手に近く業務内容になります。
病棟クラークに必要な知識
医療事務とは違い、病棟クラークはより患者様と深く関わる仕事です。
医師や看護師をサポートする業務になるので患者様の病状、生活動作のレベル、食事、水分制限など患者個人の状態をある程度把握しておく必要があります。
クラークの日常業務には、患者様の状態を医師や看護師に正確に伝えなければならない状況もあります。
正確に患者様の状態を伝えるには、ある程度の医療知識、特に自分が配属された病棟で必要な医療知識は頭に入れておかなければなりません。
病棟で医師、看護師とともに働く医療従事者として、患者様とより近い場所で働くクラークとしてミスのない仕事をするために基本的な医療知識が必要とされます。
病棟クラークに向いている人
病棟クラークは医療事務よりも、より患者様と接する職種なので人と接することが好きな人には向いている仕事です。特に、世話好きな人にも向いている職種だと言えます。
ただ、「人が好き」だけでは成り立つ仕事ではありません。接する相手は患者様です。
病棟にいる患者様は入院中ということもあり、さまざまな不安を抱えています。そんな患者様の不安な気持ちに寄り添った対応や、相手が言葉にする前にこちら側が先にくみ取る気配りなどの高いコミュニケーション能力が求められます。
またこの職業は医師、看護師のサポートとしてさまざまな仕事を頼まれる職種です。入退院の多い日や、病棟が満床のときは看護師が忙しくなると同様にクラークも忙しくなります。
病棟が慌ただしくなっている状況下で、常に冷静な行動が出来るかどうかも重要です。病棟内でのミスは患者様を巻き込んだ医療事故につながるということを常に意識しなければなりません。どんなに忙しくても、取り乱すことなく冷静で落ち着いた行動が求められます。
病棟クラークの資格の種類
病棟クラークの専門・専用の資格は、特にありません。
しかし働くためには、基本的な知識や患者接遇の作法などのスキルを持ち合わせている証明が必要です。
未経験者の場合は、せめて医療資格の1つでも持ち合わせていることが理想的です。
たとえば、
- 患者応対や院内コミュニケーションの能力を審査される「メディカルクラーク技能審査試験」。
(難易度:★★★) - 医師や看護婦の事務処理を担う「ドクターズクラーク技能認定試験」。
(難易度:★★) - 医師の右腕となり、医療秘書として活躍できる「認定医師秘書™」。
(難易度:★)
まとめ
病棟クラークになるには、特別な資格は必要ありません。
ですが、誰でもなれるというわけではなく病棟クラークとして働くには配属された病棟全体の様子を把握し、頼まれる仕事に柔軟に対応できる人材になるようスキルアップし続ける努力が必要です。
慣れるまでは覚えることも多く大変と感じるかもしれませんが、病棟の雰囲気や日々の仕事内容にも慣れると、医師や看護師との連携が高まり病棟全体の業務が効率よくスムーズに回ります。
クラークの効率良い動き次第で医師、看護師の仕事のしやすさが変わると言っても過言ではありません。病棟の動きを円滑に進めるために日々働く病棟クラークの仕事はとてもやりがいを感じられる職種です。
この記事でわかることは以下のポイントです。