どこの調剤薬局に処方箋を出しても、薬代は変わらないと思っている人は驚くかもしれませんが、実は薬代は、調剤薬局の立地や規模、サービスなどによって違いがあるのです。
ここでは、どうして調剤薬局によって薬代が違うのか、また安い調剤薬局を探すにはどうしたらよいのかについてご紹介します。
薬代の内訳
調剤薬局で支払う薬代は、厚生労働省が定める「調剤報酬点数表」を基に決まっており、1点=10円で計算します。調剤報酬の点数には、さまざまな項目があり、調剤薬局や薬剤師が提供するサービスによってそれぞれ点数が決められています。また、この調剤報酬の仕組みは2年に1度見直しがされます。
調剤報酬は「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」「特定保健医療材料」の4つで構成されています。
調剤技術料
まず調剤技術料は「調剤基本料」「調剤料」「各種加算料」の3項目からなっており、調剤基本料は調剤薬局を利用する際の基本料金のようなものです。
調剤料
調剤料は、医薬品を揃えたり、調合したりする料金で、内服薬や外用薬などの医薬品の種類によって、それぞれ点数が異なります。各種加算料は一包化などの特別な調剤を行ったときの料金です。
薬剤料
次に薬学管理料は、患者の薬歴を記録したり、服薬指導や在宅医療に取り組んだりしたときの料金です。
特定保健医療材料
薬剤料は医薬品そのものの料金で、特定保険医療材料は自分で注射をしたり、在宅医療で点滴をしたりするときの医療器具の料金です。
調剤基本料は調剤薬局によって異なる
調剤基本料は調剤薬局ごとに定められており、調剤薬局の立地や処方箋の受付回数などによって点数が違います。
現在では、街中などにある小さな個人経営の調剤薬局は「調剤基本料1 42点」、大型病院の前にあるチェーンの調剤薬局(門前薬局)ならば「調剤基本料2 26点」あるいは「調剤基本料3 イ 21点」「調剤基本料3 ロ 16点」、病院の中にある調剤薬局(敷地内薬局)ならば「特別調剤基本料 9点」となっています。
調剤薬局の立地や規模の違いで点数に差がある理由は、医療費の高騰による点数配分の見直しによるためです。街中にあるような地域に根差した調剤薬局は、地域住民の健康のサポートのために在宅医療の提供などが求められます。したがってそういった求めに対応する「かかりつけ薬局」には相応のコストがかかることから、高い点数がつけられるようになりました。
一方、門前薬局や敷地内薬局は、多くの患者に利用され、効率的な経営が可能であるという見解に基づき、点数が下げられるようになりました。
調剤基本料には加算がある
前述のことから、「それじゃあ門前薬局や大手チェーン薬局とかを選んでおけば薬代は安く済むのか」と思うかもしれませんが、実はそんなに単純なことではありません。
なぜなら調剤基本料には、一定の条件を満たすと点数が加算される仕組みがあるからです。
そのひとつが、「後発医薬品調剤体制加算」です。その調剤薬局でのジェネリック医薬品(後発医薬品)の調剤数量の割合が75%以上ならば15点、80%以上ならば22点、85%以上ならば28点加算されます。
また「地域支援体制加算」というものもあり、これは地域医療に貢献できる体制ができている調剤薬局に38点加算されます。
そのため、門前薬局や大手チェーン薬局のほうが逆に薬代が高くつくこともあるのです。
安い調剤薬局を探すには
ここまで、薬代の内訳や調剤基本料の算定基準や加算についてお話しましたが、このほかにもお薬手帳を持参しているか、持参していないかでも点数が変わってくるなど、薬代の計算は複雑です。
このように、調剤報酬は複数の算定項目の組み合わせによって決まるので、一概に「この調剤薬局が安い」と言うことはできません。
したがって、安い調剤薬局を探すためには、普段自分が利用する調剤薬局がどのように調剤基本料などを算定しているのかを調剤明細書でよく確認することが大事です。
まとめ
薬代は複数の算定項目の組み合わせからなっており、調剤薬局の立地や規模、その調剤薬局の取り組みなどによって点数は変わってきます。少しでも医療費を節約したい人は、調剤明細書に記載されている算定項目を注意深く確認しながら、調剤薬局を選ぶとよいでしょう。
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