超高齢社会を迎えた現在、医療の高度化や医薬分業の進展などによって、調剤薬局や薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しています。
ここでは、今後の役割が注目される調剤薬局や、そこで働く調剤薬局事務のこれからについてお話します。
調剤薬局を取り巻く環境の変化
調剤薬局の処方箋枚数の伸びは年々鈍くなっており、医療機関が院内処方から院外処方へ移ったことで、「処方箋の受け皿として門前薬局を開く」というようなケースは減少していくと考えられています。
また、ドラッグストアやコンビニといった小売店では調剤機能を持つものも増え、駅ナカに出店するケースも増えています。
これまでの門前薬局は、隣の薬局にどう勝つかが重要な問題でしたが、今やさまざまな場所に競争相手がいるという状況です。
さらに、以前までは「医療機関で処方箋を受け取ったら、その門前の調剤薬局で薬をもらうもの」と思い込んでいた人にも、今では全国どの調剤薬局に行っても同じ調剤サービスが受けられることが認知されてきました。
そのため、今後調剤薬局が生き残っていくためには、「患者に選ばれる薬局」であることが求められるようになります。
変化を求められる調剤薬局の役割
我が国では、2025年には75歳以上の人口が、全人口の4分の1を占めると言われています。そしてそれによって、地域包括ケアシステムの重要性がますます高まっていくでしょう。
つまり介護サービスを必要とする人口が今後ますます増加し、医療業界が「医療」から「介護」、「入院」から「在宅」へと移行していくことになります。
それに伴い、調剤薬局の役割も変化を余儀なくされ、在宅医療への取り組みが重要視されるようになるでしょう。
実際に、2011年に厚生労働省が「チーム医療の推進に関する検討会報告書」の中で、在宅医療をはじめとする地域医療において薬剤師が十分に活用されていないことを指摘して以降、薬剤師の活用が促進され、在宅医療に関わる調剤薬局や薬剤師の数は年々増加しています。
多職種による連携が必要になる
薬の飲み忘れを防ぐなど、患者に薬を適切に服用してもらうためには、薬剤師の訪問管理指導が重要になります。しかしながら、現状では薬剤師が在宅患者を訪問できる回数は限られています。
これが病院の入院患者に対する場合ならば、院内の他職種がチームを組み、患者の意向のもとに医師を中心に医療計画や治療方針を立て、患者の容態や精神的変化にもスムーズに対応できるようにします。
したがって在宅医療を必要とする患者に対しても、同じように多職種の連携によるサポートが必要だと言えるでしょう。
例えば医師・訪問看護師・ケアマネージャー・服薬介助や服薬確認をするヘルパーなどのさまざまな職種と連携し、薬剤師が訪問しないときでも患者が適切な服薬できるような体制を作れるようにするなどです。もちろん、患者やその家族の意向をチーム内で共有することも忘れてはいけません。
これからの調剤薬局事務
調剤薬局事務は、薬剤師が調剤に集中するために、日々の薬局業務に関わる他のことを行う役割として存在します。調剤薬局事務がいなければ、患者応対・処方箋の受付と入力・会計・月に1度のレセプト(調剤報酬明細書)の作成と請求はもちろん、その他の雑務もすべて薬剤師が行わなければならなくなります。
そのため、調剤薬局や調剤薬局事務の在り方が今後変わっていくとしても、調剤薬局事務の根本的な役割が薬剤師のサポートにあることは変わらないでしょう。
それどころか、調剤薬局が在宅医療にも力を入れることになれば、単なる事務員としてではなく薬剤師補助としての役割が今よりも強く求められるようになるかもしれません。
まとめ
調剤薬局間の競争が激しくなり、地域包括ケアシステムの推進による在宅医療の需要が高まる今、調剤薬局を取り巻く環境とその役割が大きく変化していくのに伴い、調剤薬局事務も今以上に重要な役割を担うかもしれません。
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