訪問診療を受ける、移動が困難な患者が増加する昨今、医療・介護分野において「在宅」のニーズが拡大していることは言うまでもありません。
ここではオンライン診療とともに、在宅のまま一気通貫の医療を実現させるために必要な「オンライン服薬指導」についてご説明します。
服薬指導とは
服薬指導とは、薬の正しい服薬方法を薬剤師が患者に説明することを言います。医師からの処方箋をもとに調剤を行い、患者へ薬を渡すだけでなく、その薬についての情報を提供することも薬剤師の義務として定められています。
またOTC医薬品(一般用医薬品)の中で、第一類医薬品に分類される医薬品を購入する際も、服薬指導を行うことが義務となっています。
つまり、普段私たちが調剤薬局で薬をもらうときに受ける説明が服薬指導というわけです。
服薬指導の内容は、薬の服薬時間や服薬回数・服薬量といった基本的なことから、副作用や保管方法・注意すべき飲み合わせや食べ合わせなどが含まれます。
こうした服薬指導を行うことで、患者が自分で勝手に判断して途中で服薬をやめたり、服薬量を増減したりするのを防ぎ、適切な薬の服用を促すことができるのです。
オンライン服薬指導とは
オンライン服薬指導とは、テレビ電話などの手段を使って、薬剤師が離れた場所から患者に服薬指導を行うことを言います。
これまでの服薬指導は、「原則として薬剤師が対面で指導すること」が薬剤師法および医薬品医療機器等法によって義務づけられていました。
しかしながら2019年度の医薬品医療機器等法の改正により、「テレビ電話等による場合であって薬剤の適正な使用を確保することが可能であると認められる場合」には、処方箋薬剤交付時の対面服薬指導義務の例外として、パソコンやスマートフォンといった端末を用いたテレビ電話などによる服薬指導が認められるようになりました。
オンライン服薬指導を導入する背景とは
2018年度の診療報酬改定で、オンライン診療についての科目が新設されたことで、移動困難な患者が在宅のまま診療を受けられるようになりました。
しかし、オンライン診療において院外処方がされた場合は、患者やその家族が郵送された処方箋の原本を薬局に持参し、対面での服薬指導を受ける必要がありました。
院外処方された薬を受け取るために薬局に行って服薬指導を受けることは、通院と同じ負担と困難があります。
したがって受診から服薬指導、そして薬を受け取るまでを自宅で完結できないことから、オンライン診療のメリットを十分に活かせないことが課題とされてきたという背景がありました。
オンライン服薬指導の課題
これまで、オンライン服薬指導は一部の地域にのみ認められている制度であり、全国的に導入するためには様々な課題があると指摘されてきました。
テレビ電話などを使って行うオンライン服薬指導は、対面の服薬指導と比べて得られる情報が少ないだけでなく、薬剤師の指示も伝わりにくいため、対面での服薬指導の場合と同じ水準の理解を得ることが課題と言えます。
また、薬が患者の手元にない状態で服薬指導をするので、処方変更や複雑な技術を要する薬剤が追加された場合は、服薬ミスの危険性が高まる可能性も否定できません。
さらに「薬をどのような方法で運ぶのか」や「配送料金を負担するのは誰なのか」などの、薬を患者に届けるための方法も課題だと言えるでしょう。
配送中の温度・湿度管理や品質保全などに細心の注意を払うことはもちろん、情報セキュリティ対策を講じる必要やシステム操作のサポートをする必要もあります。
まとめ
オンライン服薬指導とは、テレビ電話などを用いることで、オンライン上で服薬指導を行うことを言います。
オンライン診療とオンライン服薬指導により、受診から薬を受け取るまでの一気通貫の在宅医療を実現することができるようになります。
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