こんにちは、医療事務ブロガーの元ヤン次女 (@iryojimu_hikaku) です!
返戻されたレセプトを再請求したいけど「再請求の方法がわからない」「提出期限はあるの?」こんな悩みはありませんか?
返戻レセプトされたレセプトの扱いは、医療事務にとって押さえておかなければいけないポイントです。
この記事では、レセプト返戻の再請求方法についてお伝えします。
返戻レセプトについて迷ったときは、ぜひ参考にしてください。
もくじ
レセプト業務とは?
患者さんが医療機関を受診した際、窓口で自己負担となる金額以外は、保険または公費で負担されることになります。
保険が適用される診療においては、診察の難易度で報酬金額がすべて点数化されています。
1点あたりの単価は10円と定められており、合計点数に10円を乗じた金額が診療報酬として医療機関に支払われるというルールです。診療報酬点数には、
- 医科診療(診療報酬)
- 歯科(歯科診療報酬)
- 調剤(調剤報酬)
の3種類あり、それぞれに細かなルールがあります。
レセプトには提出期限があり、毎月10日必着で提出することが決められています。
このレセプト請求業務を行うため、月末から翌月初めにかけての期間が、医療事務の仕事で一番忙しい時期となります。
もし請求ミスが見つかったらどうなるの?
各医療機関が作成したレセプトは、「社会保険診療報酬支払基金」または「国民保険団体連合会」のいずれかに提出されます。
これら2つの組織は、審査支払機関と呼ばれ、各医療機関から毎月提出されたレセプトの内容に誤りがないか、厳正に審査を行っています。
請求内容に何も問題がなければ、各保険者に対して請求が行われます。
しかし、レセプトに何らかの不備が見つかった場合は、各医療機関に対して「返戻」や「減点」の取り扱いがなされます。
- 返戻の場合:当該レセプトが医療機関に差し戻される
- 減点の場合:請求金額が減額される
返戻レセプトの再請求の流れ
返戻レセプトを再請求する方法は、「電子データ」と「紙レセプト」の2つの方法があります。
再請求の方法①:電子データの場合
オンライン請求を実施している医療機関であれば、電子データで再請求することが推奨されています。
以下、電子データの再請求の流れです。
- オンラインで返戻データ(CSV形式)をダウンロードする
- レセプトコンピュータで返戻レセプトの取り込みを行う
- 返戻内容を確認して「患者情報」「診療行為」「病名」を修正する
- 修正データを翌月以降の当月分請求と併せて提出する
返戻レセプトを電子データで提出することで「ASP(事前点検)ができる」「データを一元管理することができる」など、メリットが豊富です。
もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
オンライン請求を実施している医療機関は、オンラインと紙レセプト、どちらの方法で請求しても問題ありません。ただし2つの方法で再提出してしまうと、重複請求となるので注意しましょう。
再請求の方法②:紙レセプトの場合
オンライン請求を導入していない医療機関では、紙レセプトによる再提出が一般的です。
もし返戻されたレセプトがある場合、審査支払機関から「レセプトの写し」と「返戻内訳書」が郵送されてきます。
医療事務はこれらの資料を元に、以下のような返戻処理を実施します。
- 審査支払機関から返戻レセプトが郵送される
- 誤り箇所を手書きにて「訂正」「追記」をする
- 修正データを翌月以降の当月分請求と併せて再提出をする
返戻レセプトの注意点
注意①:期限は原則6ヶ月
返戻されたレセプトは、医療機関で再チェックを行い、修正や追記等を行って再提出することになります。
翌月以降の請求分と一緒に「月遅れ分」として再提出するため、医療報酬が支払われる時期が1ヶ月以上遅れます。
減点扱いとなった場合、もし内容に納得がいかなければ、担当医師と協議して再審査請求を行うことが可能です。
この再審査請求にも期限があり、原則として6ヶ月以内に行う必要があります。
注意②:再請求はかかる
そもそも請求内容に問題がなければ、審査支払機関から各保険者に対して速やかに請求が行われ、各保険者から各医療機関には、翌月の21日に診療報酬が支払われます。
返戻、減額のいずれの場合も、再請求には手間と時間がかかりますので、最初に提出する段階で、慎重に確認しておくことが大切です。
なぜ、医療事務のスキルは重要なのか?
レセプトを作成したら、審査機関に提出する前に、内容に不備がないかをしっかり見直しすることが重要です。
請求ミスを未然に防ぐために、レセプト点検ソフトも開発されていますが、レセコンのソフトに頼りすぎることなく、目視での点検は欠かせません。
また、近年、比較的大きな病院や調剤薬局ではレセプトのオンライン請求が普及しつつありますが、医療機関全体ではまだ4割に満たないのが現状です。
医療事務を複数人で担当している医療機関では、ベテランの人がチェックを行い、返戻になりかねないレセプトを見つけたら、付箋等を使って印を付けていきます。
特殊な検査や症状の経過など判断が難しいケースについては、医師に最終チェックをしてもらいます。
こうした一連のレセプト請求業務を行う際に、医療事務の知識やスキルの有無が大きく影響してきます。
特に、小規模の医療機関では、1人で医療事務を担当することもあり得ます。
請求ミスの件数が増えると、それだけ保険者から医療機関への支払いが遅れることになります。
その金額が大きくなれば、経営に与える影響も増しますので、責任重大です。
まとめ
医療事務の資格を持っていることは、レセプト業務を中心とした医療事務の知識があることの証として、活躍できる場が広がることが期待できます。
学んで得た知識を活かし、スキルを磨いて経験を積んでいってください。
この記事は、以下のような人におすすめ!