こんにちは、医療事務ブロガーの元ヤン次女 (@iryojimu_hikaku) です!
資格を取得すると就職に有利といわれる医療事務。
通学・通信などさまざまな方法で取得できますが、具体的にはどのようなことを学び、試験に出題されるのでしょうか。
そんな方に向けて本コラムでは、試験内容の概要とサンプル問題を用いて、医療事務の試験のイメージを掴めるような記事を書きました!
記事を読めば、医療事務がどのような勉強をして、どんな問題を解いて、資格を取得することができるのかが、ハッキリと分かるようになりますよ!
これから医療事務さんを目指すあなたに、「できると思えばできる、できないと思えばできない」という言葉を送りますね。
夢の医療事務に向けて、今からスタートしましょう。
それでは、どうぞ!
もくじ
医療事務の試験内容5つの分野
医療事務の試験内容の分野は、大きく分けて以下の5つの分野があります。
- 医療保険制度
- 基本的な医学知識
- 保険請求
- 職務範囲や守秘義務
- 診療報酬の計算方法
どの協会のどの資格を取得するかにより、出題範囲や問われるレベルに差はありますが、ほとんどの場合選択式で出題されます。
中でも診療報酬点数表からの出題は多く、実技としてレセプト作成を行うため、最も勉強に時間を割くことが多い分野といえるでしょう。
学科試験
学科試験は大きく分けて 4つの分野から出題されます。
- 医療保険制度(医療の法規)
- 医学の知識(一般知識)
- 保険請求
- 医療事務員としての職務範囲や守秘義務
例題から出題内容の雰囲気を掴んでいきましょう!
1.医療保険制度(法規の専門知識)
日本はで「国民皆保険制度」が採られています。私たちが病院で診療を受ける際は保険証を提出しますよね。この時、私たちが医療機関の窓口で支払うお金は全額ではなく、7割以上は健康保険組合や共済組合、市区町村などが負担します。
このため、保険制度や公費で負担してもらえる病気の種類や患者の条件などについての基礎知識も医療事務には必要です。また、介護保険や労災などの医療保険以外の保険についても知っておく必要があります。
医療保険制度や医療関連の法規等、医療事務として覚えるべき医療の規則が出題されます。医療保険制度や医療負担率等、幅広い範囲での出題がありますが覚えやすい内容ばかりです。
Q:「保健医療機関では患者の診療録は、完結の日から5年間の保存が義務付けられている?」
A:◯(紙カルテ、電子カルテの両方とも5年間の保存が義務付けされています)
【例題2】
Q:平成20年4月1日が誕生日である患者が、平成26年7月に保険診療を受けた場合の給付率は7割である?
A:◯(6歳〜69歳までが給付率は7割となる)
2.医学の一般知識
医学の一般知識として、臓器や傷病名(病名)等の名称を覚える必要があります。体の悪い場所がどこか。どんな症状か。どんな処置をしたかという記録が医療事務としてはカルテを見て読み取る力が必要となります。資格試験のために覚えるべき単語は100程度です。
医学的知識は、さほど深い知識を求められているわけではありません。最低限、治療に関わる臓器の名前や病名の読み方、病名の略称、検査、薬などを問うものがほとんどで、解答も選択式なので心配はいりません。資格試験によっては出題されないこともあります。受験する前に必ず確認しておきましょう。
3.保険請求業務
医療事務の基礎となる診療報酬請求業務を問われます。ほとんどの資格試験ではこのウエイトが非常に大きくなっています。
レセプトに関する学習方法は丸暗記をするわけではなく、診療報酬点数早見表の引き方をマスターすること、レセプト作成の概略を理解すること等が重要です。丸暗記の要素は全くありません。
次の各項の診療行為に対する算定点数を下記より選びなさい。(重複可)
- 掌蹠膿疱の患者に行った長波紫外線療法
- 休日に緊急来院した喘息発作の患者に行った酸素吸入
- 意識障害の5歳児に行った2時間の呼吸心拍監視
- 高血圧症の60歳患者に行った同月2回目の心電図(12誘導)
- 腸管内容の通過障害で2歳児に行った高位浣腸
A:65点
B:100点
C:115点
D:117点
E:150点
【 解答:1:E , 2:A , 3:B , 4:D , 5:C 】
実際の医療の現場では点数を覚えることが重要ではなく、欲しい情報をいち早く調べることができる能力なのよ。だからそんなに難しいことをやっているわけではないわ。
学科試験は丸暗記する要素は少ない。概要を理解することが重要です。
4.医療事務員としての職務範囲や守秘義務について
実際にどんな医療機関で働くかによりますが、共通しているのは、事務処理能力や窓口での患者様に対する対応スキルは最低限必要です。最近ではパソコンを使用するところがほとんど。ワードやエクセルなどの最低限のソフトは扱えることが重要です。その以外にも、カルテを整理するファイリングや必要な書類制作など、事務仕事の内容は職場によってさまざま。実務に関しては毎日の業務の中で習得していくことになります。
それ以上に大切なのが窓口での対応です。コミュニケーション力やビジネスマナー、守秘義務への高い意識などを持った人材こそ、医療機関が最も求めている人物像だからです。
実技試験
5.診療報酬の計算(算定)方法とは
診療報酬の計算とは、カルテを見ながら1日分ごとの診療報酬を算定し「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するものです。
レセプトは健康保険組合に提出し、健康保険や国民健康保険などから診療報酬を請求する仕事。診療報酬点数自体は、コンピューターに診療内容などを入力すると、自動的に計算されることがほとんど。実務上、手計算することはほとんどありませんが、試験では手書きで解答させる場合もありますので、普段から慣れておくことが大切です。
実技試験は、用意されているカルテを参照しながらレセプトを作成する問いや、作成されているレセプトを点検する問いが最もスタンダードな問題となります。
ポイントは診療報酬点数早見表の見方や、レセプト作成手順を十分に理解した上で、何度もレセプトを作成する練習を行うことです。レセプトを沢山書くことにより、カルテの見方を理解し、レセプト作成のコツが徐々に身についていきます。
レセプト作成を何度も繰り返し練習することが合格の秘訣です。
合格へのヒント・攻略方法
医療事務の資格試験を制するのは「診療報酬点数表」を読みこなすこと。これに尽きます。
医療事務のどのような資格を取得するにせよ、避けて通れないのがレセプト計算。そのためには「診療報酬点数表」を読みこなす能力は求められます。お役所の作った堅苦しい文章で書かれているため、初めは戸惑う人も多いかもしれません。
医療事務資格試験の合格率は全体で50~60%といわれています。ただその中でもレセプト作成に特化した「診療報酬請求事務能力認定試験」の合格率は低く、医科で約30%、歯科で約40%。このため、この資格取得者を高く評価する医療機関もあると聞きます。
まとめ
いずれにせよ、どんな勉強も「慣れ」や「繰り返し学ぶ」ことが大切です。初めは苦手と感じる人でも数をこなしていくうちにだんだん読み解き方のポイントがわかってきます。
試験会場へは「診療報酬点数表」などの資料は持ち込み可能です。日頃の成果を発揮できるよう、苦手意識を克服しておきましょう。
資料の持ち込みありだから、記憶することが必須でないことが、バカな私にとってはとっても重要だわ。一番の問題は実技試験の方ね。
今回の記事で分かること