こんにちは、医療事務ブロガーの元ヤンキー次女です!
患者の個人情報に関して、医師などの医療従事者には厳格な守秘義務が課されています。
「守秘義務ってなに…。」「医療事務も守るべきなの…。」と、ギモンもあるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、ここでは医療事務を含む医療従事者が守るべき守秘義務とは何なのかについてお話しするとともに、患者の個人情報が漏洩してしまった事例もご紹介します。
この記事を読めば、医療事務になるには避けて通ることができない義務「守秘義務」の全貌をつかむことができます。
ぜひじっくり読み込んで、医療事務という職業に詳しくなっていってくださいね!
早速、いってみましょう!
守秘義務と個人情報
守秘義務とは、一定の職業や職務に従事する者や従事していた者または契約の当事者に対して課せられる、職務上知った秘密を守るべきことや、個人情報を開示しないといった義務のことを言います。
医療従事者においては、患者の個人情報を他に漏洩してはならないという義務のことを指します。
それでは、医療従事者が守らなければならない患者の個人情報とは、どのようなものなのでしょうか?
厚生労働省によれば、「氏名、性別、生年月日等個人を識別する情報に限られず、個人の身体、財産、職種、肩書き等の属性に関して、事実、判断、 評価を表すすべての情報であり、評価情報、公刊物等によって公にされている情報や、 映像、音声による情報も含まれ、暗号化されているか否かを問わない。」とされています。
具体的には患者の基礎情報や診療録、処方箋、調剤録、看護記録、紹介状、症状の経過や診断名、治療方針などが含まれます。
退職した場合の守秘義務はどうなるのか?
基本的に就業中に知り得た情報については、退職後して何年経っても守秘義務は発生します。また、退職して現在他の医療機関に勤める医師や看護師などが、以前勤めていた医療機関の情報を、現職のスタッフに話すこともしてはいけません。
さらに、現職のスタッフと退職したスタッフが会ったときに、「最近うちの病院でこういうことがあって…」という話をする際、現在の患者の個人情報を退職した医療従事者に話さないようにする注意も必要です。
そして、守秘義務は亡くなった患者にも適応されるため、患者が生きていたころに得た情報を安易に取り扱うことは許されません。
したがって、医療機関を退職したり、患者が死亡したりしても半永久的に守秘義務が発生します。
ただし、患者本人が個人情報の開示に同意した場合や患者の家族が健康上のリスクに関わる情報の開示を求めた場合などはその限りではありません。
個人情報の第三者への提供
患者の個人情報を第三者へ提供するためには、原則として患者本人の同意が必要ですが、患者本人の同意を必要としない場合もあります。
まず、法令上の届け出義務、報告義務等にもとづく場合がそうです。例えば医師が感染症の患者等を診断した場合は都道府県知事に届け出をするなどが該当します。
次に、意識不明または判断能力に疑いがある患者につき、治療上の必要性から病状等を家族、関係機関等に連絡、照会などをする場合と、地域がん登録事業への情報提供、児童虐待事例についての関係機関への情報提供など、公衆衛生の向上又は児童の保護のために必要性があり、かつ本人の同意を習得することが困難な場合がそうです。
その他には、法令にもとづいて国、地方公共団体などの機関に協力するために個人情報の提供が必要だが、本人の同意を取得することによって、当該目的の遂行に支障を及ぼす恐れがある場合も、患者本人の同意を必要とせずに第三者へ提供することができます。
患者の個人情報漏洩の事例
ここでは実際に患者の個人情報が漏洩した事例をご紹介します。
2020年4月に、青森県五所川原市などで公立病院を運営するつがる西北五広域連合の感染症指定医療機関に勤務する看護師4人が、新型コロナウイルス感染患者の電子カルテ画像を「LINE」を通じて外部に流出した事件がありました。
また同年6月に鳥取県立中央病院では、入院していた新型コロナウイルス感染患者2人の電子カルテを、職務上必要でないにもかかわらず、複数の病院職員が閲覧していたという事件もありました。
このように、LINEやTwitterなどのSNSの普及とともに個人情報の漏洩も増えてきているのが現状です。
まとめ
医療従事者は、患者の個人情報を守秘する義務があります。そしてそれはたとえ勤め先を退職したり、患者が亡くなったりしても、個人情報を漏らすことは許されません。
ただし、患者本人が個人情報の開示に同意した場合などは、その限りではありません。
記事は次のような人におすすめ!