調剤薬局の受付であり顔でもある調剤薬局事務は、主婦をはじめとした多くの女性に人気のある職業です。
現在、調剤薬局事務の資格は民間のものがいくつかありますが、調剤薬局事務として働く際に資格手当はあるのでしょうか?
資格手当とは
資格手当とは、社員が仕事に活かせる資格を持っている場合や、社員が仕事に活かせる資格を取得しようとする場合に企業から支払われる金銭のことを言います。
企業が資格手当を取り入れる理由として、資格手当を導入することで社員に資格取得を促し、社員全体の能力向上をはかることなどが挙げられます。
資格手当には毎月の給与に加算されて支給されるものと、資格取得時に一時金として支給されるものとがあります。また、企業によって両方支給されることもあります。
資格手当の条件や対象となる資格は業種や企業ごとに異なりますが、不動産業や金融業、建設業、IT業などは、資格手当を支給していることが多いです。
現在、資格手当はコスト削減の観点から廃止や見直しを考える企業が増えてきています。したがって今後、資格手当を縮小する企業も少なくないかもしれません。
調剤薬局事務の資格
調剤薬局事務には民間の資格が複数存在しており、資格を認定する団体によって資格の名称が異なります。例えば、技能認定振興協会が主催する資格試験に合格すると「調剤事務管理士」という資格が与えられますが、これが一 般財団法人 日本能力開発推進協会が主催するものならば「調剤薬局事務資格」という資格が与えられ、それぞれ名前が違います。
このように各主催団体によって名称が異なる調剤薬局事務の資格ですが、どの資格を取得していても大きな違いはありません。
またこれらの資格の多くが特定の調剤薬局事務講座の受講を資格試験の受験資格としています。もちろん中には独学で取得できるものもありますが、独学での取得はいくつか問題点があります。したがって基本的に講座受講と資格試験はセットであると考えましょう。
調剤薬局事務の資格に手当は出るのか
しかしながら調剤薬局事務は本来、資格がなくても働くことができる職業であるため調剤薬局事務の資格の重要度はそれほど高くありません。
調剤薬局事務の主な業務は患者応対や処方せん受付、処方せん情報の入力、会計、レセプト(調剤報酬明細書)の作成と請求です。
お薬代の計算やレセプトの作成などは少し複雑なのですが、そういった難しい知識が必要とされることはすべてレセコンと呼ばれる専用のパソコンが処理してくれるため、レセコンの使い方さえわかっていれば誰にでもできる仕事です。
このように調剤薬局事務の業務というのは難しい知識を必要とせず、資格がなくても働くことができる職業です。また調剤薬局事務において重要視されるのは資格の有無ではなく「過去に調剤薬局事務として働いたことがあるか」という経験です。
したがって調剤薬局事務の資格を持っていても資格手当が出ることはまずないと言っていいでしょう。
登録販売者の資格
調剤薬局事務という職業において、調剤薬局事務の資格に資格手当が出ることはほとんどありませんが、登録販売者の資格を持っている場合は薬局によって資格手当が出るところもあります。
登録販売者とは薬剤師でなくともOTC医薬品(一般用医薬品)、つまり市販薬を販売することができる人のことを言い、国家資格でもあります。
薬局の中にはOTC医薬品を取り扱っているところもあります。したがって登録販売者の資格を持つ調剤薬局事務がいれば、OTC医薬品の説明やアドバイスができるため、薬剤師に代わってその販売を任せることができ、重宝されます。
まとめ
調剤薬局事務は難しい知識や資格がなくても働くことができる職業であるため、調剤薬局事務の資格を持っていても資格手当が出ることはほとんどありません。
しかし国家資格である登録販売者ならば資格手当を与える薬局が存在します。
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