平成28年度末現在、薬局は全国に58,678か所もあります。そのため、調剤薬局事務のニーズは高く、働き口に困らない職業だと言えます。
しかし、医療系の仕事であることに加え、事務職と接客業の両方を併せ持つ業務内容であるがゆえに、難しい仕事だと感じる方もいます。
そこで今回は、そんな大変そうなイメージのある調剤薬局事務の「楽しい！」と感じる所をお教えします。
チームとして働く楽しさ
調剤薬局事務は、患者さんとコミュニケーションを取ることはもちろん、薬剤師とも円滑な意思疎通を図ることが必要な職業です。というのも、調剤薬局事務は患者さんと薬剤師の間の橋渡しをする存在でもあるからです。
薬局にもよりますが、基本的に薬剤師は調剤に集中するために、薬剤師でなければ扱えないような業務以外は事務員が担います。例えば、患者さんからの薬に関する簡単な質問や要望などがそうです。事務員では答えられない質問や要望の場合は、事務員を通して患者さんと薬剤師がやりとりをします。内容によっては薬剤師が直接対応することもありますが、基本的には事務員が間に入ることが多いです。
このように、調剤薬局事務はうまく患者さんと薬剤師の間を取り持ち、薬剤師と互いに協力しながら業務にあたります。つまり、薬剤師と事務員は一つのチームのようなものなのです。そして、薬局の全従業員が一つとなって業務をこなしていく時の一体感と達成感は心地良く、やりがいと楽しさを感じます。
- 調剤薬局事務のやりがいを感じる５つのワケってなんだろう？
知識が身につく楽しさ
仕事に慣れてくると、徐々に薬の知識が身につきます。最初は処方箋でよく目にする薬の名前から覚えはじめ、そのうちその薬が何の薬でどんな作用があるものなのか、だいたい理解できるようになります。
また、身近に薬剤師がいることから、より詳細な薬の情報を知ることができる上に、薬に関する疑問について解消することもできます。こうした知識は他の職場ではなかなか得られないため、学びがいがあり楽しさもあります。
また月に数回、医薬品メーカーが開く新薬勉強会というものがあります。そこでは、患者さんに正しく新薬を提供できるように、主作用や副作用、飲み合わせなどについて学びます。このため、常に新しい知識や情報を得る楽しみもあります。
薬局を選択する楽しさ
薬局では薬の他に、領収書と明細書を貰います。知識があれば、この明細書の見方がわかるようになり、結果としてお得な薬局選びをすることが可能になります。
明細書には計算根拠である項目があり、項目ごとに点数が記載されています。ただ、明細書の項目は知識がないとわかりづらい所があり、例えば「薬剤料」は薬の値段のことだとわかりますが、「調剤技術料」や「薬学管理料」などは具体的にどのようなものなのか判然としません。
また、同じ薬を同じ日数分処方されているにもかかわらず、薬局によって値段が違うことがあります。簡単に言ってしまえば、薬局によって各種加算料が取れるからなのですが、知識がなければどうしてそうなるのかわかりません。
ところが、知識があれば「なぜこの金額なのか」「なぜ他の薬局と値段が違うのか」をきちんと理解できるようになります。したがって、どの薬局だと安く済ませられるのかなど、自分に合った薬局選びができる楽しみが生まれます。
患者さんと交流する楽しさ
定期的に通院される患者さんは、薬局へも定期的に来局されるため、顔を覚えます。また、患者さんのほうも事務員の顔を覚えて、中には受け付けや会計時に声をかけてくれる方もいます。天気の話やニュースの話など、たいていは他愛のない雑談ですが「いつもありがとう」「おかげさまでだいぶ良くなりました。ありがとう！」などと感謝されることもあり、やりがいを感じます。
ありがたいことに、付き合いの長い患者さんだと、たまに差し入れや旅行土産を持ってきてくれる方もいます。このような患者さんとのちょっとしたコミュニケーションは楽しく、癒される時間でもあります。
まとめ
これまで、調剤薬局事務を楽しいと思える理由について述べてきました。ただ、何を楽しいと感じるかは人それぞれであるため、あくまで一つの例として参考にしてください。
調剤薬局事務の仕事は特別難しいものではありません。したがって、仕事に慣れていくうちに自然と楽しみが見つかるでしょう。
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