調剤薬局事務は、働きやすく安定した職業ですが、医療に携わる仕事であるため決して楽なものではありません。ここでは、調剤薬局事務として働くにあたって苦労することや大変なことをご紹介します。
薬の名前に苦労する
「ムコスタ」や「ムコダイン」、「パンテチン」や「パントシン」など、似ている薬の名前は多くあります。「ムコ○○」「パン〇〇」のように、頭文字が二文字以上一致している医薬品の薬剤取り違え事例は、実際に数多く報告されています。
また、薬には規格が違うものもあるため、仕事に慣れていないはじめの頃は薬の名前に苦労します。
さらに薬の名前で大変なことと言えば、手書きの処方箋を受け取った時です。現在、パソコンで作成することが多い処方箋ですが、中には手書きの所もあります。
癖字であったり字が汚かったり、時間がなくて急いで書いたりなどで、ほとんどの場合は薬の名前が読めません。特に「1」や「7」などの形が似ている数字は間違えやすく、薬剤師と相談しながら解読していきます。ただし、どうしてもわからない場合は、処方箋を発行した医療機関へ連絡し、確認を取らなければならないため非常に手間がかかり大変です。
体調管理と人間関係に気をつける
薬局は具合が悪い人がたくさん訪れる場所であるため、必然的に薬局に勤める者は風邪などの感染症にかかりやすくなります。
ぐっと空気が乾燥し、気温が低下する秋~冬頃からは特に自分自身の体調管理に気をつけます。この時期は体調を崩す患者さんの量が増加しインフルエンザも流行しだすため、毎日きちんと食事や睡眠を取り、加湿を怠らにようにして体調を整える必要があります。
また、調剤薬局事務は患者さんとのコミュニケーションはもちろん、薬剤師との関係にも気をつけなければなりません。薬局はどんな規模でも狭く閉じられた世界です。薬剤師と事務員の仲が悪いとその雰囲気は薬局全体に伝搬し、患者さんにとっても従業員にとっても居心地の悪い場所になってしまいます。したがって、常に職場の人間関係について気を遣わなければなりません。
レセプトの返戻
調剤薬局事務には月に一度、レセプト（調剤報酬明細書）の作成と請求業務があります。
レセプト（調剤報酬明細書）は、患者さんに請求した調剤報酬（1~3割の自己負担額）の明細書を患者さんごとにまとめたものです。このレセプトによって、残りの7~9割（患者さんの自己負担分以外）の金額を健康保険組合などの保険者に請求することができます。
レセプトの作成と請求はコンピュータが行うため、それほど難しくありませんが、厄介なのがレセプトの返戻です。
返戻とは、提出したレセプトの内容に誤りがある場合、レセプトが差し戻され、支払いが拒否されることを言います。レセプトが返戻されると、調剤薬局事務はその誤りを確認、訂正してからまた請求し直します。返戻された分だけ当月の薬局の収入が減るため、大変ですが重要な業務です。
レセコンに慣れない
調剤薬局事務の主な仕事の一つである処方箋情報の入力にはレセコンを使用します。レセコンとはレセプトコンピュータというレセプト作成用のコンピュータで、必要な情報を入力するだけで各種点数の算定や薬価の計算などを行ってくれます。
専門的な知識がなくてもレセコンに入力することができれば、問題なく業務をこなせるため、調剤薬局事務はまず何よりもこのレセコンの使い方を教え込まれます。
しかし、薬局によって導入しているレセコンのシステムは異なります。システムが異なれば当然使い方も違うため、操作方法を覚えるまでは苦労します。特に調剤薬局事務未経験者の人は一通りの操作を覚え、慣れるまでにだいぶ時間がかかるため、大変です。
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まとめ
どのような仕事でも苦労することはありますが、そのうち慣れてしまえばただの作業に変わります。医療従事者である調剤薬局事務は、他業種に比べて体調管理に気を遣う大変さがありますが、職業的には非常に働きやすい部類です。
勤務時間は一定であり、家事や育児との両立しやすいことが女性にとって魅力的な職業です。あなたも、一生必要とされる資格を取得して、調剤事務を目指しましょう！
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