緊急事態宣言が出てから1カ月以上が経過しましたが、新型コロナウイルスの感染収束に向けて、引き続き不要不急の外出の自粛が求められています。
そんな中で働く人たちから、新型コロナウイルスによる補償や危険手当を求める声が相次いでいます。
ここでは、現場の最前線で働いている医療事務が、危険手当を支給されるのかについて詳しく説明していきます。
もくじ
新型コロナウイルスによる危険手当
危険手当と言えば、少し前に看護師に対して危険手当などを支給するよう求める要望書を、日本看護協会が厚生労働大臣らに提出したことが話題となりました。
看護師は、感染した患者と接する時間が長く、感染した人が急に診療に訪れた場合でも対応が求められるなど、医師と比較しても感染のリスクが高いと日本看護協会は指摘しています。
また要望書では、看護師や保健師といった看護職の人たちが、いつ自分たちが感染するかわからないという不安や恐怖の中で働いていることを訴えており、勤めている医療機関に新型コロナウイルスの患者がいるというだけで、帰宅の際にタクシーから乗車を拒否されたり、引っ越し業者から急に契約をキャンセルされたり、保育園で子どもの預かりを拒否されたりするなど、いわれのない中傷を受けている状況も明らかにしています。
そうした現状の中で、看護職に対して新型コロナウイルスに感染した人や、感染した疑いのある人に接した場合の危険手当の支給などを国に求めています。
具体的な要望の内容
日本看護協会が国に要望した次の3つのことについて具体的にご紹介します。
1.危険手当の大幅な増額
1つめは「危険手当の大幅な増額」です。地域や医療機関などによって左右されますが、1日に数百円しか危険手当が出ないなどの不満があるのが今の状況です。
そのため、医療機関ではなくあくまで個人に対して危険手当を支給するように要望し、既に対応に当たっている看護職が報われるように「初めて感染が確認された日」の分までさかのぼって支給することを求めています。
2.ホテルなどの宿泊費の補助
2つめは「ホテルなどの宿泊費の補助」です。
感染者の対応に当たる看護職員の中には、自宅に帰らずホテルなどで宿泊を続けて、家族へ感染しないようにしている人もいます。したがって、宿泊費を自己負担している人や、宿泊費をサポートしている医療機関に対して補助を求めています。
3.妊娠中の看護職員への配慮
3つめは「妊娠中の看護職員への配慮」です。
厚生労働省は「妊婦が肺炎にかかると重症化する可能性がある」とし、職場で配慮するように通達していますが、医療機関ではテレワークなどの配慮ができません。
そのため、「妊娠中の看護職員が休業する場合、代替職員を雇用するための費用」を支援するよう求めています。
介護職員の一部には国が危険手当を支給
一方で厚生労働省は、一部の介護職員に対して危険手当を出せるようにする方針を示しています。
検査で陽性と判明した感染者にサービスを提供している施設や事業所などを対象としており、このような危険性の高い現場で働く介護職員への危険手当の支給を自治体が決めた場合、かかる費用の3分の2を国が負担するということです。
対象は感染者をケアする施設や事業所などの一部に限る方向とのことですが、実際に介護現場で働く人たちからは拡充を求める声も上がっています。
医療事務は危険手当の支給対象か?
福岡県久留米市にある「徳安医院」では、通勤手当・洗濯手当・住宅手当・資格手当のほかに、「危険手当」としてボーナスを支給しています。
また大阪府や奈良県では、最前線で新型コロナウイルスの対応あたっている医療従事者に対して独自の危険手当を支給することを決定しています。
このように医療従事者に対しての危険手当は、地域や企業ごとに独自で支給されていることが多いため、医療事務が危険手当をもらえるかどうかは、現状勤務先次第だと言えるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、最前線で対応する医療従事者をはじめとしてさまざまな業種・職種に危険手当が求められており、実際に支給されているところもあります。
しかしながら、医療事務に対しての危険手当の支給は勤務先によって左右されるのが現状です。もし、あなたが医療事務として働いているのであれば、勤務先にしっかり確認することをおすすめします。
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