診療録(カルテ)の基礎知識|義務・保存期間・記載事項・紙から電子へ

 

カルテとは、医療に関して患者の診療経過などを記録したもののことです。一般的に知られているカルテという言葉は、元々「カード」という意味を表すドイツ語で、診療録のことを指します。

ここでは、そんなカルテの基本的なことについてご紹介します。

 

カルテを書くことは義務

カルテは、狭義には、医師が記入するものを指します。そして広義には、手術記録・検査記録・看護記録などを含めた診療に関する記録の総称を言います。

医師法に「医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。」とあるため、カルテ記載は医師の義務です。

また、カルテの記載は義務であるということ以外にも、医学上の資料として重要な役割を持ちます。それだけでなく、訴訟での証拠資料や会計上の原本となるなど、社会的機能を有する書類でもあるため、その扱いも大事なものとしなければなりません。

ちなみに一定の条件を満たすことで、「診断書、診療録および処方箋の作成」「主治医意見書の作成」「診察や検査の予約」を、医師事務作業補助業務として医師の指示のもと事務職員が記載代行することが認められています。

 

カルテの記載事項

まず「患者住所・氏名・性別・年齢」「病名及び主要症状」「治療方法(処方や処置)」「診療年月日」の4つの項目については、医師法第23条により、カルテに最低限記載することを定められています。

他には、既往歴、診療費、嗜好、アレルギー、家族歴などの項目が記載されるので、個人情報の塊であるカルテの取り扱いには十分気をつけなければなりません。

また、カルテにはよく略語が記載されます。例えば「do」は「ditto(ディトゥ)」の略語で、「繰り返し」や「コピー」を意味し、「do」と記載するだけで「前回と同じ処方」ということを示すことができ、「前回do」や「do処方」などのように使われます。

また、「Rp.」は「recipe(レシピ)」の略語で、「処方」を意味し、処方する薬を記載するときに使用します。

この2つの略語は医療事務の資格試験でも目にすることが多く、実務でもよく使われます。

 

カルテの保存期間

カルテの保存に関して、医師法第24条では「前項の診療録であって、病院または診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、5年間これを保存しなければならない。」と定められています。

また、療養担当規則第9条でも「保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあっては、その完結の日から五年間とする。」と定められています。

これらのことにより、医療機関にはカルテを保存する義務があり、その期間は5年間と決められています。

 

時代は紙カルテから電子カルテへ

紙のカルテを使っている医療機関は多いですが、保管場所や管理の大変さなどの悩みはつきません。

一方、電子カルテの場合は、保管場所や管理に困らないだけでなく、ネットの環境さえあれば、医療機関内はもとより往診時もPCやタブレットからリアルタイムで情報を共有したり、閲覧したりできるため、診療記録の素早い伝達が可能になります。

また、「紙カルテがなくて作業が停滞する」などの不便さがなくなって、他の職種との連携がスムーズになり、チーム医療の推進に役立ちます。

こうしたメリットにより、現在では電子カルテの普及が進んでいます。既存の医療機関では、紙カルテから電子カルテに移行するケースが増えており、新規開業する医療機関では最初から電子カルテを導入しています。

 

まとめ

カルテを書くことは医師の義務であり、カルテを保存することは医療機関の義務です。

現在では紙カルテから電子カルテへ移行する医療機関が多いですが、電子カルテであっても、基本的に記載内容は紙カルテと変わりありません。




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